ども。さん太(@PonkotsuSanta) です。
マルチ商法(ネットワークビジネス/MLM)は、情報弱者(情弱)や無知な新卒社会人を狙い撃ちにして悪質な勧誘をしている会社が多く存在します。
……という方も多いはず。
特に最近は、働き方改革で「残業が減って給料が激減した」というサラリーマンが多く、会社の「副業解禁」の流れも重なって「給料以外の収入を稼ぐ」ためネットワークビジネスに取り組んでいる方もいるでしょう。
なぜ、マルチ商法(ネットワークビジネス/MLM)は失敗する運命にあるのか?「副業」に選んではダメなのか?
本記事は、私が過去にマルチ商法で学んだ「ネットワークビジネスが失敗する10の理由」についてご紹介します。
・友人からマルチ商法を勧められて迷っている
・友人・家族にマルチ商法に熱心な人がいて困っている
・現在ネットワークビジネスで活動しているが成果が上がらない。その理由を知りたい
・ネットワークビジネスのグループを辞めたい。抜け出し方を知りたい
「マルチ商法」とは?「ネットワークビジネス」「ねずみ講」との違い
「マルチ商法」と聞くと、なんだか怪しい、ブラックなイメージがありますよね。
マルチ商法は、MLM(マルチレベルマーケティング)、ネットワークビジネスなどとも呼ばれていますが、基本は同じものを指します。
「マルチ商法」という言葉はネガティブなイメージが強いので、カッコつけて英語名で読んでいるだけです。
・ネットワークビジネス、MLM(マルチレベルマーケティング)とも呼ばれる
・違法ではないが、法律(特定商取引法)で厳しく活動が制限されている
・サプリメントやドリンク、化粧品など消耗品を販売
・知人等に商品や会員になることを勧める
・会員を増やしてピラミッド状の販売組織(グループ)をつくる
・グループ内の売上の一部が自分の報酬になる
私も当初、この違いがよくわからなかったので、勉強して下記のような図解を作りました。
一般的な店舗販売では、マスメディアの広告宣伝費用や卸問屋の仲介、店舗の維持費や人件費など「多くのコスト」がかかるため、その分、商品価格はどうしても高くなります。
一方、マルチ商法(ネットワークビジネス)では、広告宣伝を消費者が口コミ(勧誘)で行います。
また店舗を持たない「通販」で商品を販売するので、メーカー側はその分の費用を消費者に還元できる仕組みです。
広告・販売方法が違うだけなので、これだけを見ると「マルチ=違法」ではないことはおわかりいただけると思います。
また、マルチ商法は、特定商取引に関する法律(特商法)第33条で「連鎖販売取引」という名称で定義されていて、商法自体を禁止されているわけではありません。
マルチ商法=「違法・悪」というイメージが根強いですが、法律的には(今のところは)「まだ違法ではない」のがマルチ商法(ネットワークビジネス)です。
違法なのは「ネズミ講」
一方で、明確に「違法」とされている商法もあります。
それが「ネズミ講(無限連鎖講)」です。(英語ではポンジスキーム(Ponzi scheme)とも言われます)
ネズミ講(無限連鎖講)が「マルチ商法」と明確に異なるのは、「無限連鎖講の防止に関する法律」によって明確に「禁止」され、罰則がある点です。
ネズミ講の特徴として「製品やサービスなど社会的な価値を生まない」「最終的に資金繰りができなくなり破綻する」ことの2点が挙げられます。
こちらも、私が昔作った図解を載せておきます。いわゆる「百害あって一利なし」なので、禁止されているというわけです。
じゃあ、違法でないはずの「マルチ商法」ってなんでそんなにマズイんだ?
マルチ商法(ネットワークビジネス)はなぜ失敗する?致命的に「ダメ」な10の理由
その会社は「Amway」「Nu Skin」等の大手企業にもない優れた商品力が魅力で、コンプライアンス等の教育がしっかりしていてクリーンなイメージに好感がもてたので参加していました。
私のアップライン(会社で言えば上司)も尊敬できる実業家の方だったお陰もあって、人脈ほぼゼロからのスタートで100人くらいのグループまでは行きました。ビギナーズラックですね。
しかしそこから伸び悩み、収入面でも経費以上の利益を出せず、進退を考えた末に「撤退」しました。
- 知人・友人の「質」は確実に落ちる
- 商品の質に比べて価格が高い
- マーケティングの仕組みが「マズい」
- 「副業」としても最悪の部類
- ある日突然「ポジションが飛び」収入がゼロになる
- インターネットの力を使えない
- ビジネス会員の立場が弱い
- 本物の権利収入・不労所得にはならない
- やめるに辞められなくなる
- 「withコロナ」時代には無力な「時代遅れの商法」
【失敗原因1】知人・友人の「質」は確実に落ちる
「マルチに手を出すと友達減るよ」とよく言われますが、私は「誠実さ」をモットーに活動していたので、友達が減ったり、信用を無くしたりなどのダメージはありませんでした。
しかし、一般人の感覚としては「マルチ商法(ネットワークビジネス)に関わっている」人からは距離をとりたいもの。
すると自然に、今まで付き合いのあった人たちは離れていきます。
その代わりに付き合いが増えるのが、同じくマルチ商法に関わっている人たち。
マルチ商法のセミナーやイベントで出会う人を観察してみると、マルチ商法の会員には下記のようなタイプが多いことに気づきます。
・主事業がうまくいっていない現役経営者
・主事業がうまくいっていない個人事業主
・高校・大学を卒業したての若者
・主婦(主夫)
「友人」とは利害関係なく付き合える仲間ですが、マルチ商法のビジネス会員同士のつながりは、ガッツリ「利害関係100%」の関係です。
当然ながら「腹の探り合い」のようになるので、人間関係の摩擦やストレスも多くなります。
表面だけの関係になりますので、交友関係の幅と深さは確実に落ちると思って良いでしょう。
【失敗原因2】商品の質に比べて価格が高い
マルチ商法(ネットワークビジネス)で扱う商品は、化粧品や栄養ドリンク、サプリメントなど、一般的に「原価が低い」商材がほとんどです。
それなら販売価格もお手頃かと思いきや、多くの商品は通販で買える同等品よりも「割高」であることがほとんどです。
これはなぜかと言うと、次のような理由があるからです。
・ビジネス会員への「報酬」が商品代に含まれている(30〜50%程度)
・販促のイベントやセミナーが多く、この経費が商品代に反映されている
・商品の容器包装がムダに豪華で原価が高い
Amazonや楽天市場など通販サイトでは、広告宣伝費をほとんどかけず、容器包装もシンプルなためリーズナブルに買える商品も数多くあります。
例えば私が愛用している下記のプロテインだと、Amazonや楽天で7,000円程度で買えるのですが、同じような商品も「マルチ商法」で売ると、1.5万円〜2万円くらいの値段になります。
マルチ商法では、商品代の30〜50%程度が「ビジネス会員の報酬」に使われます。
トップのビジネス会員になると年収数千万〜の人もいますが、彼らの報酬はこの「割高な商品価格」から支払われているのです。
【失敗原因3】マーケティングの仕組みが「マズい」
マルチ商法(ネットワークビジネス)のマーケティング(販売戦略)の仕組みは古く、昔からほとんど変わりません。
前述の通り、商品価格もふつうの通販に比べれば高額で、営業マンでもない一般人が扱うにはハードルの高い商品が多いです。
それでも昔から多くの人が参加してしまうのは、マルチ商法に「夢」を感じてしまうからです。
例えば、マルチ商法のセールストークで鉄板なのがこちら。
・今のつらい会社を辞めて「自由」になりたくはありませんか?
・誰でもできる簡単な仕事で月収100万円以上を目指せますよ
・今参加しておけば、将来大きなビジネスになりますよ
勧誘のうまい人ほど、これら「射幸心のあおり方」が巧みで、人心掌握術や、宗教的なマインドコントロール術に長けています。
また、一般価値の2倍以上の商品を売るため、事実かどうかも怪しい過度な宣伝(オーバートーク)が多いのも問題です。
・「○○○」が治る、良くなる
・国や公的機関が認めている
・世界的に権威のある「○○○」賞を受賞している など
本来、優れた商品は過度なセールストークで強引に勧めなくても勝手に「広まって」いきます。
詳しくは後述しますが、過度な宣伝文句は各種法規制にも引っかかり、処罰対象にもなります。
また、マルチ商法関連の消費者トラブルは本当に多いので、国民生活センターも注意喚起に力を入れています。
参考:友だちから誘われても断れますか?若者に広がる「モノなしマルチ商法」に注意!
時代が変わっても「お金持ちになりたい」「会社を辞めて自由になりたい」という人の欲求は変わりません。
マルチ商法はそれらの人の欲望や「夢」を狙った販売戦略であることを覚えておく必要があります。
【失敗原因4】「副業」としても最悪の部類
マルチ商法(ネットワークビジネス)のビジネス会員は、まれに専業の人もいますが、「副業」で取り組む人がほとんどです。
最近は、働き方改革が進み、余暇を持て余している人が増えた代わりに「残業代を大幅カット」する会社も増えました。
一方で、「副業解禁・容認」の会社も少しずつ増えているので、「副業」としてマルチ商法を持ちかけられるケースもあるでしょう。
このように考えている方でも、マルチ商法を選ぶことは避けたほうが無難です。
なぜなら、マルチ商法は「副業」としてもデメリットだらけで「最悪レベル」と言っても過言ではないからです。
【会社をクビになるかも?】マルチ商法が副業として「最悪レベル」な理由
会社員が「副業」を考えるとき、主に次の4点に注意が必要です。
・本業にとってプラスの相乗効果があるか
・本業で禁止されている副業でないか
・働きすぎにならないか
その他、副業に関する基本的な考え方や知っておきたいことは別記事にて解説しています。
マルチ商法の場合、上記の4点にひっかかる「デメリット」がこれだけ多く存在します。
・副業容認の会社でも「マルチ商法は禁止」の会社は多い
・対面での勧誘が原則なのでインターネットの力を有効活用できない
・本業にプラスになるような専門スキルは身につかない
・セミナーやイベントへの「半強制」参加があり、休日はほぼ無くなる
・会員間の派閥争い、人間関係のトラブルが多くストレスになる
例えば、私の勤める大手企業では、社員数が多いため、公式に「マルチ商法厳禁」の通達が出ています。
経営者からすれば、社員間のトラブルの原因になるマルチ商法は、厳しく取り締まらないと内部崩壊を招くので、禁止にするのも当然といったところでしょう。
そうした会社で就業規則に背いたビジネスを行えば、厳しい懲罰が下り、最悪「会社をクビ」になっても文句は言えません。
【失敗原因5】ある日突然「ポジションが飛び」収入がゼロになる
マルチ商法は一般的に、その会社のビジネス会員(ディストリビューター)として登録したときに「報酬を受け取れる権利(ポジション)」を与えられます。
ピンとこない方は、普通の会社で言うところの係長、課長といった「役職」みたいなものだと思ってください。
会員を増やして販売組織(グループ)を大きくすることで、この「ポジション」に発生する報酬も大きくなっていきます。
しかし、どんな大きなグループを構築していても、この「ポジション」が「突然なくなる」ことがあります。
主な理由は「重大なコンプライアンス違反」が発覚した場合。会社で言うところの「懲戒処分」のようなものです。
例えば、各種法律で禁止される誇大なセールストークや、悪質な勧誘を行った場合などが処分対象になります。
法律に疎いビジネス会員がよく失敗するのは、例えば以下のようなケースです。
・これを使えば「○○○」の病気が治る
・これを飲めば「○○○」に効く、やせる など
上記は「医薬品医療機器等法」で禁止されており、発覚すれば一発NGです。
・国や公的機関が認めている
・世界的に権威のある「○○○」賞を受賞している
上記は「景品表示法」で制限されており、事実と異なれば一発NGです。
これらはほんの一例で、マルチ商法自体を取り締まる「特定商取引に関する法律(特商法)」等も熟知しておかなければなりません。
最近は特に、スマホで誰でも録画・録音・撮影が可能な時代です。
勧誘時にうっかり「NGワード」を言ってしまい、それを録音されていれば、会社や消費生活センターに通報されて「一発アウト」となります。
誇大広告を載せた資料を撮影されて、通報や拡散されるリスクもあります。
普通の会社であれば、社員のミスは始末書や一時的な減給、謹慎程度で済みますが、マルチ商法の会社の場合は一瞬でポジションが飛び「来月から給料ゼロ」も当たり前の世界です。
また、普通の会社であれば、不当な解雇や降格処分について異議申し立てをしたり、戦うこともできますが、マルチ商法の会社の場合、会員の立場はとても弱く、泣き寝入りするしかありません。
何年もの時間と多くの経費を払って育てたビジネスが「たった一度のミスで吹き飛ぶ」というのは、怖すぎて今の感覚ではとてもできません。
【失敗原因6】インターネットの力を使えない
今の若い人は、子供の頃から「インターネット」が使える環境で育っていて、その力を存分に使っていると思います。
しかしマルチ商法の多くは、いまだにカフェやファミレスで勧誘したり、説明会(セミナー)を開くなど「口コミ」で商品や会社をアピールするアナログな手法を続けています。
これらの会社では基本的に、ビジネス会員がSNSやブログなどで商品を広めることも「禁止」しています。
前述のとおり、「マルチ商法」は多くの法律によって厳格に活動が制限されています。
特に、人々の健康に直結する化粧品やサプリメント、食品を扱う会社は公的機関や消費者から厳しい目が向けられます。
そんな中、ビジネス会員一人ひとりが勝手にSNSで商品をアピールし始めたらどうなるでしょうか?
法律に詳しくない一般人は、法的に禁止されているような「事実でない情報」やデタラメをSNSやブログに投稿するでしょう。
SNSやブログは拡散されやすく、写真や文章がデータとして残り続けるので、違反があったときに「動かぬ証拠」になります。
そうなると、本人だけでなく会社も責任問題を問われ、会社の存続に関わるダメージを負うことになります。
たった一人のSNS投稿から、最悪「会社がつぶれる」事態に発展する可能性もあります。
そのため、マルチ商法のセールスは、インターネット&SNS全盛期の現代ですら「禁止」されているのです。
【失敗原因7】ビジネス会員の立場が弱い
マルチ商法で好成績を上げているビジネス会員、いわゆる「トップリーダー」と呼ばれる人たちは、年収数千万円以上を得ていて、会員の間では「神」のような扱いを受けます。
しかし、彼らは決して口にしませんが、ビジネス会員の立場は非常に弱く「いつ契約を切られてもおかしくない」という綱渡り的な状況で日々活動しています。
一般的な会社員(正社員)は、よほど悪意のある不正を働かない限りクビにはなりませんが、マルチ会社の会員は違います。
会社に代わって商品を宣伝するビジネス会員は「外注先」という扱いなので、会社のご機嫌を損ねれば、年収何千万あろうとも簡単にクビが飛びます。
この「契約切り」のリスクを知っているリーダーは、ある程度収入が安定してきたら、投資や別荘など不動産を持ち始めます。
口では「ネットワークビジネスは権利収入を築けますよ」と言っているリーダーも、本音ではマルチ商法は「本物の権利収入にはならない」ことが分かっているからです。
【失敗原因8】本物の権利収入・不労所得にはならない
マルチ商法(ネットワークビジネス)の多くは、友人知人などを勧誘し、商品が継続的に購入される「グループ」の構築を目指します。
ネットワークビジネスで扱う商品はサプリメントや飲料、化粧品が多いので、リピート購入されやすい傾向があります。
そのためネットワークビジネスは「権利収入」や「不労所得」になる、と言われているのです。
……しかし、実際のところ「グループの構築」は難しい割に、ひとたび崩れ始めると、あっさり崩壊します。
わかりやすく例えるなら、CMやドラマに「引っ張りだこ」だった人気タレントが、たった一度の不祥事でテレビから姿を消してしまう……そんな感じに似ています。
先述のようにビジネス会員の立場は弱く、ちょっとしたミスで「権利抹消」などはよくある話。
そのため、ネットワークビジネスで稼いだリーダーは、株式や不動産など「本物の不労所得」が得られる投資先にお金を投資するのです。
逆を言えば、「不労所得」を得るのが目的なら、マルチ商法なんて手を出さず、貯金の一部を「投資」して増やせばOK。
私が年間100万円以上の利益を上げている「ほったらかし投資術」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【失敗原因9】やめるに辞められなくなる
以上、マルチ商法が抱えるたくさんのデメリットやうまくいかない原因を挙げましたが、私が最も「怖いな」と思うのが「やめるに辞められなくなる」というものです。
マルチ商法(ネットワークビジネス)の世界では、ビジネス歴10年以上でも「月10万円」も稼げない人はゴロゴロいます。
普通の仕事を10年も続けていれば、新卒入社でも30代。「主任」や「係長」へステップアップし、給料も右肩上がりでしょう。
しかし、マルチ商法で月10万円を得られる人はごくわずか。さらに収入の半分以上は経費や商品購入で消えます。
せっかくの休日を勧誘活動に費やして10年続けても、報われる人は一握りしかいないのです。
普通の会社なら、多くの部下がいても、後任者を育てて引き継ぎをすれば辞められます。
しかしマルチの場合は、グループ人数が増えれば増えるほど、自分からは辞めにくくなります。
グループ内には自分が勧誘した友人・知人がいるので、彼らを見捨てて自分からやめるのは「社会的信用」を失うことになるからです。
「収益が出ないけど撤退もできない」というのは中堅リーダーにありがちな悩み。
そのままズルズルとビジネスを続けると、本業も疎かになっていきます。
そうやって歳を取り、40〜50代になって「何も残らない」ことに気づくのが「マルチの本当の怖さ」です。
【失敗原因10】「withコロナ」時代には無力な「時代遅れの商法」
これまでご紹介した「8つの理由」だけでもネットワークビジネスがいかに失敗しやすいか、ご理解頂けたかと思います。
そして、2020年以降さらに追い打ちをかけているのが「新型コロナ」の大流行。
多くのマルチ商法・ネットワークビジネスの営業方法は「対面での勧誘やセミナー」であることがほとんどです。
……ということは、必然的に大人数を会議室に詰め込むセミナーは開催しづらく、セールスのアポイントを取るのも至難の業になるでしょう。
つまり、今までの営業法方法のほとんどが、これからの「withコロナ」時代には使えなくなります。
元々、アナログで「時代遅れ」のマルチ商法でしたが、新型コロナに「トドメを刺された」格好です。
なぜ「マルチ商法」はなくならない?撲滅が難しい理由
たしかに、仕組み上の問題やトラブルの多い「マルチ商法」ですが、手を替え品を替え生き残っている企業は多く存在します。
その理由を解説します。
会員の「異常な」忠誠心の高さ
特定のブランドやお店が好きで、よく商品を購入するLoyal Customerと言います。
お店側から見て、他店に浮気しない「忠誠心の高い」顧客なのでこう呼ばれます。
一般的なメーカーや小売企業にとっても、多くの「ロイヤルカスタマー」を獲得することは重要で、そのためにポイントカードやアプリを作ったり、会員限定のキャンペーンやセールでお客さんを「逃さない」ように囲っているのです。
一方で、マルチ商法は顧客(会員)の「忠誠心」がとても高いのが特徴です。
もともと「会員制」「定期購入」の会社が多く、顧客が退会せずに毎月商品を注文してくれるので安定して売上が立ちます。
さらに「リーダー」と呼ばれる上位のビジネス会員は、商品説明会(セミナー)を通じて新規会員の「忠誠心」を高め、商品購入を勧めます。
こうした「洗脳」にはまった会員は、いわゆる「信者」化していき、必要以上に大量の商品購入をしていきます。
「信者」というのは、今どきのスマホゲーム、ネットゲームで言うところの「重課金者」のようなもので、一種の「依存性」があるのが怖いです。
マルチ会社の商品に使った金額や時間が多くなるほど、商品や会社への愛着は増していき、辞めてしまうとそれらが全部無駄になると考えるのでなかなか辞められません。
マルチ会社の会員は、健全な「ファン」というよりも「信者」と呼んだほうがしっくりくるのはこのためです。
さらにマルチでは「周囲の人の目」もあります。
日本人は特に周囲の人の視線を気にする国民性ですが、マルチ会社のイベントやセミナーに参加して「知り合い」が増えていくと「後ろ指をさされるのではないか」と気にして辞めにくくなるのです。
もともとアメリカ発祥のマルチ商法が日本でこれほど拡大しているのは、「相互監視」する日本人の国民性が仇になっているのかもしれません。
儲かりやすく潰れにくい
マルチ商法の会社は、Amwayなどよく名前を聞く会社の他にも膨大な数の会社があります。
Wikipediaにマルチ商法会社の一覧があるのですが、ここに載っていない小さな会社もたくさんあります。
なぜ法規制の厳しいマルチ商法の会社がこれほど多く存在するかというと、おそらく単純に「ビジネスとしておいしい」からだと考えます。
「おいしい」というのは、参加する会員ではなく、「主宰企業が儲かる」という意味です。
・顧客の「忠誠心」が高く定期購入してくれる
・固定店舗がない(少ない)ので維持費もかからない
・マスメディアへの広告宣伝費がかからない
・ビジネス会員への報酬は出来高制の後払いで良い
・商品製造は外注委託(OEM)
これらの「儲かりやすい仕組み」を多く取り入れているので、店舗を持つ一般的なビジネスよりも会社を存続させやすいのだと考えます。
そのため、昨今の法規制が厳しい中でもなかなか潰れず、悪徳業者であっても「撲滅が難しい」理由になっています。
【簡単にできる】「マルチ商法」の見分け方&スッキリ辞める方法
マルチ商法(ネットワークビジネス)は、実にいろいろな種類や会社が存在します。
このように、巧妙にカモフラージュしているケースも珍しくありません。
【簡単】「マルチ商法」の見分け方
「マルチ商法」のビジネスかどうかを見分ける方法は簡単で、「紹介者を出して、その紹介者がまた紹介者を出してグループを作る」というような「ねずみ算」的なグループ形成を勧めてくるタイプのビジネスはすべて当てはまります。
「継続的なグループ形成」を目的にしているかどうかが「マルチ商法」を見分けるポイントになります。
【スッキリ辞める】「マルチ商法」の抜け出し方
マルチ商法(ネットワークビジネス)にうっかりハマってしまい、「辞めたいけど辞められない」という人も多く存在します。
しかし、ずるずると続けても貴重な時間とお金を浪費するだけなので、「辞めたい」と思ったなら、早いウチに足を洗ったほうが懸命です。
後腐れなくスッキリと辞める方法はこちら。
- 自分が紹介した方には、一人ひとり丁寧に辞意を説明する
- アップライン(上司)にも辞意を説明する
- マルチ商法の会社へ退会申請する
- SNSのグループ等から退会する
最近のマルチ商法の会社はコンプライアンスがしっかりしているので、退会申請をしても拒否されることはなくすんなり辞められます。
面倒なのが、自分を取り巻くグループやアップライン(上司)などの人間関係。
アップラインが話のわかる人なら良いのですが、しつこく電話や訪問、嫌がらせをしてくるなど悪質な場合は、全国にある「消費生活センター」へ相談してみるのも手です。
【参考】全国の消費生活センター一覧
【まとめ】人生を棒に振らないために「マルチ商法」には「NO」と言おう
以上、ネットワークビジネスの副業が失敗する10の理由について紹介しました。
・マルチ商法は違法ではないが、厳しい社会の目と法律規制がある
・友人・知人のレベルは確実に落ちる
・扱う商品は品質に対して割高なケースが多い
・販売戦略、勧誘方法がトラブルを生みやすい
・本業にもダメージを与えてしまう
・せっかく育てたビジネスが「一瞬でなくなる」リスクが常にある
マルチ商法(ネットワークビジネス)は、軽い「副業」のつもりで安易に手を出すと、本業の会社から懲戒処分を受けるなど「大ケガ」につながります。
人望も失い、最悪「人生を棒に振る」結果になるかもしれません。
現在は、勧誘方法も巧みになっていて、気づかないうちに契約したら「実はマルチだった」というケースもあります。
未然に防ぐためには「うまい話」を見分け、断固として「NO」を言う必要があります。