ども。さん太(@PonkotsuSanta)です。
株式投資を始めた初心者が必ず耳にするのが「IPO投資は儲かるらしい」という話です。
IPO投資の専門サイトを見ると「株価が2倍になる」とか、「8割以上の案件はプラスになる」「ノーリスクで失敗しない」とか景気の良い言葉が踊っています。
本当でしょうか?
しかし「投資」という以上は、かけた時間と資金に応じたリターンがないといけません。
果たして「IPO投資」は割にあった投資結果を出せるのでしょうか?
・IPO投資って儲かるって聞くけど実際の利回りはどうなの?
・IPO投資は簡単というけどどれくらい手間がかかるものなの?
・IPO株投資は失敗しないって本当?デメリットはないの?
・IPOの抽選に全然当たらない…このまま続けるべき?
IPO投資は稼げない?私がIPO株投資を「3ヶ月でやめた」理由
IPO(新規公開株)とは、今まで非上場だった企業が、東京証券取引所など証券取引所に上場し、一般の投資家でも株取引ができるようにすることです。
そして、IPO投資は、企業が上場するタイミングで募集される「公募価格」で株式を取得し、初値で売ることで売却利益を狙います。
初値は、上場日の始めにつく株価のことで、多くの場合「公募価格」よりも高くなるため、高確率で利益を出すことができるとされています。
IPO投資はローリスク・ハイリターン?しかしその実態は…
IPO株を手に入れるためには、その案件に申し込み、抽選に当たらなければなりませんが、もし外れても資金は減りません。
これが「IPO投資はノーリスク」と言われるゆえんです。
しかし、実際は買った株が値下がりするリスクがあるので「ノーリスク」は誇張で、「ローリスク〜ミドルリスク」が適切といったところ。
投資はリスクとリターンが比例するのが基本ですが、IPO投資の場合は、この仕組みによって「ローリスク・ハイリターン」が実現できる投資方法なのです。
しかし、世の中そんなに甘くはありません。
このIPO株を手に入れる抽選に当たる「当選確率」がめちゃめちゃ低いのです。
例えば、私も2020年の一発目「ジモティー」に80万円分申し込みましたが全て落選。
注目度の高い会社だったので、ネット上では、億単位の資金を用意しても当選できなかったという声も見受けられます。
#IPO #ジモティー 落選。1億円程度じゃたいして当たらんのかもね。まだ一件目なので引き続き応募しまくります。 pic.twitter.com/VLY1nEj3cs
— やそぽん社長@医師 (@yasopom_jp) January 30, 2020
そこで、多くの方が考えるのが「IPO株投資って実はすごく資金効率が悪いのではないか?」という疑問。
【検証①】IPO投資の利回りは?
IPO投資情報のサイト「庶民のIPO」さんの集計によると、2019年のIPO実績は下記のとおりです。
初値売り損益合計:14,407,300円
平均損益:167,527円
つまり、計算上は1社当選した場合、約17万円の利益が見込めることになります。
IPO株投資では、抽選に当たる確率は1%以下とも言われています。
そこで、できるだけ多くの証券会社から抽選に申し込んで「応募口数」を上げるのが基本になります。
そこで、例えば次のような条件でIPO投資に挑戦した場合の利回りを考えてみます。
・当選確率を上げるために、5つの証券会社に資金40万円を振り分け
→合計200万円の資金で応募し続ける
・結果、運良く2件のIPO株を取得、売却に成功したと仮定
その期待利回りは「16.8%」。なかなか魅力的な数字です。
しかし、結局は「運」なので、どれだけ全力で応募しても「全く当たらない」という可能性もあります。
そして、「IPOに申し込み続ける作業」自体もけっこう手間がかかるので、次はこの作業を時給換算するといくらになるか?についても考えてみます。
【検証②】IPO投資は結構手間がかかる。時給に換算すると?
IPO株抽選の申込み自体は、それほど難しいものではありませんが、地味に作業時間がかかります。
先ほどの例で、年間の作業時間を計算してみます。
・申し込み証券会社:5社
・所要時間:20分(証券会社1社あたり)※
※IPOスケジュールや事前情報チェック、サイトへのログイン、資金移動、申し込み等の合計時間
以上から、年間では50×5×20=5000分(83.3時間)もの時間をIPOの申込みに費やすことが想定されます。
さらに、IPOの取り扱いが多い主要なオンライン証券会社10社に口座開設し、1社あたり90分を要したとすると、900分(15時間)が加算されます。
つまり合計の所要時間は、一年間で98.3時間。
塵も積もれば…で、本気でIPO投資に取り組んだ場合、年間100時間近くもかけなくてはなりません。
そして、先ほどと同じく、2件のIPOに当選した場合の利益から時給を計算すると…
335,053(円)÷98.3(時間)=3,407(円)
しかし、IPO投資に取り組むと、その資金で他の金融商品を購入できないので、実際は見えないコスト(機会損失)が潜んでいます。
例えば、IPO投資用の資金200万円を年間利回り5%で運用した場合は、年間利益は10万円になります。
この10万円を「捨てて」IPO株取得に資金を向けているので、実際の時給は下記のようになります。
(335,053-100,000)÷98.3=2,390(円)
また、抽選に年1回しか当たらなかった場合はさらに悲惨なことになります。
(167,527-100,000)÷98.3=810(円)
なんと、最低賃金の全国平均「901円」(2019年)よりも低い労働をしている…という結果に。
もちろん、人気銘柄が何件も当選する強運の持ち主であれば、年間100万円以上の利益も可能かもしれません。
しかし、現実的なラインとしては「学生アルバイトの時給程度」のリターンしか得られない可能性が高そうです。
200万円の余剰資金があれば、さらにリターンを求めた投資も可能です
「IPO投資=儲かる」と安易に考えてはいけない「7つのデメリット」
IPO投資はデメリットや失敗が少なく「儲かる投資方法」として紹介されることが多いですが、下記のような見過ごせない「デメリット」が多くあります。
・抽選申し込み&確認作業が面倒
(セキュリティ上、他の人に依頼や自動化も難しい)
・抽選確率がものすごく低い(億単位の投資でも落選)
・当選しても「元本割れ」するリスクがある
・証券会社間の送金に時間と手数料がかかる
・まとまった運用資金が必要。(数十万円〜)
・資金がロックされる間、他に投資チャンスがあっても手が出せない
・つみたてNISA口座が使えない
以上の理由から、多大な資金が必要な割に投資効果は高くないと言えます。
また、IPO株は「つみたてNISA口座」で買い付けることができません。(NISA口座は使える証券会社が多い)
つみたてNISAをしている方は、同時にNISA口座が開けないので、せっかくIPO株投資で利益を得ても税制上のメリットを活かせないので注意です。
IPO投資にも「失敗」はある!私の手痛い失敗事例
私は2020年初からIPO株投資を始めました。
その後、ジモティー落選を皮切りに3月までの3ヶ月間で応募した「20社以上」が見事に落選。
申し込み、資金移動など効率的に行いましたが、ふだん使いの楽天証券、SBI証券以外にも6社の証券会社口座を新しく開設したので、合計で4〜5時間は使ったと思います。
これが丸々「徒労」に終わったのですから、投資元本は減ってなくても、時間をムダにしました。
さらに新型コロナの影響で2020年3月は世界中で株価が暴落し、NYダウも直近高値から1万ドル以上下げる展開になりました。
このような場面では余剰資金を使って割安な優良銘柄を狙いたいところ。
しかし「IPO抽選」に振り分けていた資金は抽選が終わるまで引き出せず、チャンスを逃す場面もありました。
IPO投資は抽選に外れても投資元本は減りませんが、このように大切な「時間」と「投資機会」を失う可能性も持っています。
IPO株投資を効率的にする「裏ワザ」
以上、IPO投資のデメリットや失敗事例について紹介しました。
それでもなお「IPO投資をやってみたい!」という方に、IPO抽選申し込みを効率化する「裏ワザ」をお教えします。
IPO株投資が面倒なのは、
②証券会社各社のWebサイトから抽選申込をする
③当選確認をする
これらの作業を頻繁にしなければいけないところです。
まず、IPO抽選スケジュールは以下のサイトで確認できます。
参考:IPOスケジュール
1社ずつ申し込むのは効率が悪いので、複数社の申込み期間が重なる日に抽選申し込みします。
前もってカレンダーアプリに登録しておけば、「抽選の参加を忘れた……」という失敗は少ないと思います。
もうひとつ面倒なのが、各証券会社のサイトにログインして抽選申込みや当選確認を行う作業。
これは「SafeInCloud」という無料のパスワード管理アプリを使えば、かなり高速化できます。
証券会社のID・パスワードはセキュリティのためにかなり複雑なものを設定しているはずですが、「SafeInCloud」を使えば、パソコンの場合「1秒でログイン」が可能になります。
「SafeInCloud」のインストール、使い方については以下の記事で詳しく紹介しています。
【参考】私が実践する「年間利回り10%以上」をめざす投資方法
私は「コツコツ派」なので、当たるか当たらないか「運次第」のIPO投資より、着実に「年間利回り10%」を目指した運用で淡々と積み上げています。
これらはそれぞれ値動きが異なるため、例えば株価が低迷していても、他の運用でコンスタントに利益を上げることができます。
①適トレ(投資信託トレード)
値動きの大きい投資信託を選んで、ある一定ルールに則り売買を繰り返す手法です。
近年、株式市場のボラティリティ(価格変動)が大きくなっていることを利用して暴落局面をチャンスに変え、利益を出しています。
しかし投資信託は「手動トレード」なので、ちょっと面倒。そこで以下の「自動売買」も組み合わせて収益アップを図っています。
②QUOREAクオレア BTC(ビットコイン自動売買)
安定した稼ぎ頭になってくれているのがビットコイン自動売買の「QUOREA BTC」。
AI(人工知能)が自分の代わりに運用してくれるので、リスク管理さえきちんとできれば、「ほったらかし運用」が可能です。
株やFXのような「大きな含み損」を抱える心配が少なく、安定して利益を積み上げています。
私が実際に300万円以上投資する「QUOREA BTC」の攻略法のまとめはこちらの記事で解説しています。
- 簡単5分登録
- ユーザー平均勝率84.54% (2020年12月度実績)
- 初期費用&月額固定費用0円|資金10万円から始めるビットコイン投資
③QUOREAクオレアFX FX(FX自動売買)
「QUOREA」のFXバージョン。
私は以前からFX自動売買の「トラリピ」を使っていましたが、とにかく「大きな含み損」をかかえるシステムに不満がありました。
「QUOREA FX」は難しい局面でもAI(人工知能)がこまめに利確・損切りしてくれるので安心感が違います。
こちらも、実際に数十万円を投資して運用したリアルな実績を公開中です。
【まとめ】IPO株投資はのめり込みすぎに注意!「時給計算」の視点が大事
以上、「IPO株投資」は儲かるのか、利回りと時給計算した結果をご紹介しました。
・IPOは当選すると平均約17万円の利益が見込める
・一件ローリスクだがデメリットも多い
・当選確率がかなり低く、時給計算では「学生バイト」レベルの可能性も
・当たらなければ、年間約100時間もの時間がムダになる
計算してみると「IPOは儲かるらしい」という話だけで、証券会社の口座をたくさん作り、お金を分散するのは得策ではないことがお分かりいただけると思います。
最近は投資ブームでIPO抽選参加者が増えたため、当選は至難の業とも言えます。
その行動は時間と手間をかけるほどの価値があるか?を判断するには「時給換算」の視点が有効です。
IPOの抽選は「お年玉年賀はがき」のような運試しのつもりで、ふだん使う証券会社から無理のない範囲で申し込むのが吉。当たればラッキー♪という感じです。
くれぐれも、のめり込み過ぎには注意してくださいね!
年々注目度が高まる「AI(人工知能)」ですが、そのAIを活用して為替や仮想通貨を「自動運用」してくれるサービスが「QUOREA」です。
「AI」「仮想通貨」と聞くとなんだか難しそうですが、元手は「10万円」程度で始められ、登録から運用スタートまで30分もかかりません。
私が実際に100万円以上投資する「QUOREA BTC」の攻略法はこちらの記事で解説しています。
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