ども。さん太(@PonkotsuSanta)です。
私は田舎住みですが、こんな地方にまで「定時退社」や「副業解禁」の波が押し寄せてきています。
つまり日本全国で本格的に「本業だけの収入では豊かになることは難しい」時代がやってきている、ということです。
そんな中、「おすすめ副業」と聞くと今でも根強い人気なのが「ブログを使った広告ビジネス」。
一時は「プロブロガー」なんて言葉も流行りましたが、現在はどうなのでしょうか?
本記事では、ブログを副業で始めたい方、何となく始めたけれど全く収益がなくて悩んでいる方向けに、「ブログで稼ぐこと」のリアルについて、私の考えをまとめています。
・副業をはじめたいけど、ブログってぶっちゃけ稼げるの?
・ブログアフィリエイトってどれくらい稼げるのか知りたい
・ブログは「稼げないしオワコン」ってよく聞くけど、実際はどうなの?
・ブログを始めて1年、ほとんど収入がなくてツラい。このまま続けるべき?
時給換算では驚愕の数字に?プロの収入の「リアル」
ブログの収益は主に「広告収入」です。
「広告収入」の仕組みは、自分のブログやサイトにGoogle AdSenseや各種アフィリエイト等の広告を貼り、広告がクリックされたり商品が買われることで、自分にも利益の一部が支払われるというものです。
もしくはAmazonや楽天などで販売している商品を紹介して、同じく商品が売れた時に紹介料を受け取る方法もあります。
この「広告収入」ですが、はたして「プロ」の人たちはどの程度稼いでいるのでしょうか?
よくTwitter等では、「月収100万円!」「年収8ケタ!」などをうたった「プロ」ブロガー、アフィリエイターの方々がいますが、実際本当かどうかはわかりません。
私も昔、マルチ商法の世界に少し足を突っ込んでいましたが「オレは月収100万!」という人も、それはあくまで「一時的に作った数字」であり、実力は数分の一という人がゴロゴロいました。
どうしても、それに近い「ニオイ」を感じてしまいます。
では、ある程度信頼できそうな調査結果はないのでしょうか?
実は、日本アフィリエイト協議会(JAO)が2017年11月に行った「アフィリエイト市場調査」というリサーチがあります。
この調査では、アフィリエイターという「その道のプロ」1000人を対象に、「月額のアフィリエイト収入」を調査しています。
「プロ」というからにはしっかり稼げているのかと思いきや、その結果がなんとも「悲惨」なことになっています。
引用元:https://www.japan-affiliate.org/news/survey2017/
なんと、「3万円以上」と回答した方の割合はわずか5.7%。
「10万円以上」ではなんと2.3%です。
10万円といえば、時給も上がっている今ではバイトでも稼げますが、下位97%の方の収入が「バイト以下」という結果になっています。
経験年数の問題じゃないか?
この調査には、さらに恐ろしい「続き」があります。
同じ調査結果のページには、「アフィリエイト経験年数」も同様にリサーチ結果が公表されています。
引用元:https://www.japan-affiliate.org/news/survey2017/
このリサーチによると、アフィリエイト経験年数「3年以上」の割合は67.2%。
ズブの素人が対象ではないことがわかります。
つまり、「アフィリエイト市場調査」をまとめると、
・平均3.4個のサイトを運営
・作業時間平均は1日1.2時間(年間438時間)
こんなに頑張っても、「3万円以上稼げる」人は、「プロ」のうちわずか5.7%しかいないのです。
月収3万円というと、年収では36万円。
上記のアフィリエイターの方々の作業時間平均は1日1.2時間でしたので、年間438時間。
時給換算すると…「821.9円」。
以上の結果から、ブログを継続するためには「年間400時間以上」の確保が必要になります。本業のあるサラリーマンの場合は特に時間の捻出は難しいはず。
私自身は、家事などを「徹底的に時短」して作業時間を作り出しています。その方法はこちら。
ブログ運営は「一人ブラック企業」と心得る
年間400時間以上を使ってブログ運営を頑張り、上位5%に入っても収入は最低賃金以下…。
こう考えると、「ブログを副収入源にしよう!」というのがいかに難しいか、現実を知ることができます。
最初の半年〜1年などは、もともとSNSなどで影響力があるか、よほどセンスのある方でもないと売上すら立たないはず。
半年〜1年をほぼ無給で働くことを考えると「一人ブラック企業」を運営しているのと同じと言えます。
ブログで「稼げるか」「稼げないか」という問いの結論としては、「稼げない可能性」が圧倒的に高く「労力の割に合わない」と言えそうです。
ブログはオワコン?ブログで稼げなくなる4つの理由
2017年の調査では、ブログを中心としたアフィリエイトで稼げる確率はかなり低いことがわかりました。
では、調査から2年経過した現在、さらに未来にかけて、ブログで稼ぐ可能性は広がるのでしょうか?
私は「さらに難しくなる」と考えています。その理由は主に4つあります。
【理由①】「情報の飽和」と「過当競争」
一昔前は「ネットの情報なんて当てにならない」というくらい、ネット上の情報は玉石混交でした。
しかし現代では、かなりニッチなキーワードで検索しても、ほぼ意図通りの情報が上位数ページに出るようになってきました。
これは、検索エンジンのアルゴリズム、いわゆる"知能"が進化し、膨大な情報の中から、優れた内容のページを選定して表示できるようになったからです。
つまり、昔のように野球の1000本ノックよろしく記事を書き続けていれば、いつかは稼げるようになる…ということはありません。
さらに現在は、Googleが提唱する「E-A-T」によって、Webサイトのコンテンツの質は厳しく精査されるようになりました。
つまり「餅は餅屋」で、一般人の書いたブログより、その道の専門家や専門的な情報サイトが評価されることになります。
これにより「情報の質」が上がるため、検索ユーザーとしては役立つ「進化」です。
しかしこれは同時に、一般人が副業レベルでブログ運営しても、勝算はかなり低くなったことを表しています。
特にサイトや記事を量産して、小手先テクニックでSEO対策していた時代は完全に終わったと言えます。
一方で、「何か副業を始めたい→簡単にできそうなブログを始めよう!」というサラリーマンは今後も増えると考えられるので、「限られたパイの奪い合い(過当競争)」はさらに激化しそうです。
それに対して情報量だけが増えているので、サイト間の競争が年々激しくなるのは当然ですね
【理由②】日本経済の後退・少子高齢化
日経平均株価を見てわかるように、バブル崩壊後の日本経済はぱっとしません。
「労働生産性」では、ダントツの先進国最下位であり、日本人は「よく働くけど貧しい国民」と言えます。
日本生産性本部がまとめた2017年における日本の労働生産性(時間あたり)は47.5ドルで、主要先進国では最下位だった。1位の米国は72ドル、2位のドイツは69.8ドルなので、日本の生産性は米国やドイツの3分の2程度しかない。日本の労働生産性が先進国中最下位なのは1970年代からずっと変わっておらず、日本の生産性がよくなったことは一度もないというのが現実だ。
そのため、世の中には「節約ネタ」があふれ、世の中の風潮が「節約・貯蓄・投資」にシフトしていっています。本ブログでもこんな記事を書いています。
ブログの収入源の柱は、広告収入ですが、これはもちろん「モノが売れないと」成立しません。
つまり、人々が財布のひもを固くしてモノが売れなくなればなるほど、収入が伸び悩むのは当然です。
さらに日本経済を鈍らせるのが、世界一の少子高齢化。
働きざかりの人が減り、消費ざかりの若い世代のお金が、高齢者の社会保障に流れてしまうので、ますます日本においてモノやサービスは売れなくなります。
そのため、日本語でブログを書き、日本人をメインターゲットにした広告ビジネスの先行きは「どう考えても明るくならない」と言えそうです。
そうなると、企業が真っ先に削減するのが「広告費」。ブロガーの収入源であるアフィリエイト広告も例外ではなく、案件のキャンセルや報酬額の引き下げが行われています。
米国Amazonでは、アフィリエイトの紹介料がなんと「5分の1」になったジャンルがあるとのこと。「ブログで稼ぐ」がいかに景気後退に弱いかがわかります。
米国のAmazon(アマゾン)アソシエイトプログラムの紹介料率が、ジャンルによっては「5分の1」に…。
日本にも波及くるか🎅?Amazonがアフィリエイトリンクからの紹介料率を大幅にカットすると決定、商品によっては50%以上のカットも - GIGAZINEhttps://t.co/f4jpQyKoAh
— ポンコツさん太@がんばらない投資術 (@PonkotsuSanta) April 15, 2020
【理由③】ユーザーのネットリテラシー向上
アフィリエイトも含め、「広告ビジネス」というのは、ちょっと言葉は悪いですが、「広告を広告だとは気づかない無知な人」をお客さんにして稼いでいます。
そのため、「広告を打つ側」はそれを「いかに広告だと悟られないように自然にアピールするか」に腐心するわけです。
今、テレビやラジオでは、CMにも番組の司会者やタレントがそのまま出演し、いかにも「番組のお墨付き」であるかのように商品を宣伝していますよね。
以前にステルス・マーケティング(ステマ)という言葉が流行りましたが、広告は「広告」だとバレてしまうと効果は激減します。
そこで、モノを売るために、どのメディアでも「広告に見えない」工夫をしているわけです。
逆をいえば、ユーザが賢くなって「広告を見抜く能力」が上がれば上がるほど、「広告ビジネス」は稼げなくなるということ。
私がパソコンをはじめて買ったのは18歳の時ですが、今は小学生でもスマホを持ち、誰でもインターネットを活用できるようになりました。
それだけ、ネットユーザのリテラシー、いわゆる「情報を賢く判別する能力」は年々上がっています。
つまり、「ブログが稼げた」のは、ユーザーのネットリテラシーが低かった時代の過去のお話であり、これからのビジネスはさらに厳しくなることが予想されます。
【理由④】大企業の「オウンドメディア」の発展
従来、大企業のマーケティング手法といえば、TVやメディアを使ったCMなどの「広告」が主流でした。
しかし現在では、テレビCMはレコーダーによってカットされ、動画広告はスキップされるなど企業が思うような成果を出しづらくなっています。
そこで各社が広告費の使い方を転換し、2015年ごろから増え始めたのが「オウンドメディア」です。
オウンドメディアとは、自社で管理、情報発信するウェブサイト等のこと。
これまで企業のウェブサイトは、企業情報や製品ラインナップ、採用情報など、消費者にとっては「マジメでおもしろくない」内容であることがほとんどでした。
オウンドメディアは、消費者との「コミュニケーション」を意識して運営されることが多く、暮らしに役立つ情報やエンタメ性を重視して「くり返し見てもらえる」ウェブサイトになっています。
例えば無印良品では「くらしの良品研究所」というメディアを運営しています。
このサイトでは、無印良品の取り組みや情報コラムを発信しているほか、ユーザが無印に対して商品化の要望や改善希望などを自由に書き込むこともできます。
このように従来の「広告費」をかけてユーザーを引っ張ってくる手法から、「ファンが自然に増え、育つ」メディア運営にシフトしてきているのです。
この流れは、ブログなどを運営する個人にとっては大きな「脅威」です。
オウンドメディアは、大企業ならではの予算と人員を投入して運営し、Facebook、Instagram、YoutubeなどSNSとの連携も完璧です。
元々のブランド力もあるため、SEOで重要なドメインパワー(Webサイトの強さ)では個人メディアは太刀打ちできません。
試しに、何かGoogleで検索してみて、上位表示されたWebサイトの「運営者情報」を見ると、かなりの確率で企業が運営しているサイトであることがわかります。
先に挙げた「E-A-T」の重視によって、信用力の低い個人より、資本力・専門性のある企業サイトが優先されるのは必然かもしれません。
ブログが稼げない時代の「ブログ活用術」
以上、ブログでは稼ぎにくくなる4つの理由について書きました。
・ブログ開始1年間は無報酬(または薄給)を覚悟
・年間400時間はブログに割く時間をつくらなければならない
・ブログ歴何年であろうと収益化できなければ1円も稼げない
・運良く上位5%に入っても月収3万円〜
・経済が頭打ちの日本で個人が広告ビジネスで成功するのは難しい
・ここ数年で強力な競合(企業サイト)が増えた
これらから総合的に考えると、「副業で稼ぐ方法」として未経験者がブログを選択するのはあまり得策ではないと言えます。
年間400時間も捻出できるのであれば、語学やスキルアップして転職や別に仕事をしたほうが確実に稼げるからです。
しかし、「収益化」を目的にしないのであれば、ブログを続けるメリットはまだまだあります。
自分の「ポートフォリオ」としてブログを育てる
現代社会は、インターネットなしには成り立たなくなるほど、ネットは生活に欠かせないものになりました。
なにか調べ物をするとき、出かける場所やレストランを決める時、まずネットで検索しますよね?
裏を返せば、ネットに情報がないものは「存在しないのと一緒」とも言えそうです。
そこで考えられるのが、TwitterやFacebook等のSNSを活用して、自分をアピールしていくこと。
しかし、これらのSNSは情報が次々に流れていくので、自分の考えや実績をストックしておくには不向きです。
またSNSの性格上、告知やビジネス色の強い投稿は煙たがられます。
そこでSNSとは別に、ブログを「ポートフォリオ(作品集)」として育てていく、というアプローチが考えられます。
つまり、SNSでは発信しきれないこれらの情報を整理して置いておける場所として、ブログは有効です。
・専門分野や実績(得意なこと、できること)
・自分の考え方や取り組み
例として、ブログ「ムクッといこう」を運営されているゆーすけさんは、ブログで情報発信しながら、ご自身のデザインサービス「ご署名ネット」を展開されています。
ネット上で顔の見えない相手に何かを依頼することは難しいですが、ブログを通じてゆーすけさんの「人となり」がわかるので、安心感があります。
これからは、単にSEOを意識した記事作りだけではなく、「自分をアピールするためのメディア」としてブログを育てていくのが良いかもしれません。
文章だけでなく、特技をフル活用して「掛け合わせる」意識が大切ですね!
スキルアップの軸としてブログを活用する
経験したこと、頭の中で考えていることを「文章」にしてみることは、自身の成長にとても効果があります。
文章にすることで、何となく「考えているつもり」になっていた物事がクリアになり、自分の意見や価値観が明確になります。
一方で、ブログネタを探すことが勉強のモチベーションに繋がりますし、ブログを通じて「誰かに伝える」ことを目的にした勉強は記憶の定着も良くなります。
ブログ記事はずっと蓄積されていくので、続けていれば、初期の記事を見返した時に「新たな発見」と「自分の成長」を実感できます。
でもそれは、自分が成長した証拠です
また、ブログには「筆記開示」としての効果も期待できるので、メンタルケアとしてもおすすめできます。
「筆記開示」とは、頭の中にある漠然とした悩みや不安、堂々巡りする考えを書き出してすっきりさせる手法です。
私がこのブログ「ソロジン」をはじめたきっかけは「うつ病」でした。
詳しい経緯はプロフィールに書いているので割愛しますが、うつ病治療の一環で「筆記開示」のために、頭にある「モヤモヤ」や「ネガティブな考え」をノートに書き出していったのです。
その時、アイデアとして浮かんだのが、自分の体験や考えをオープンにすることで、誰かの悩みを解決する助けになるかも、ということでした。
例えば下記の記事は、元々ノートに書き溜めていた「モヤモヤ」が元になっています。
新しいことにチャレンジする原動力・モチベーションに
一般的に、人は歳を重ねるほど「新しいこと」にチャレンジする意欲を失っていきます。
しかしブログを続けていれば、常に「ブログネタ探し」をするようになるので、いつまでも好奇心を失わないでいられます。
また、ブログネタのために「新しいこと」や勉強にチャレンジするモチベーションも湧いてくるので、常に自分をアップデートできます。
そして、半年、1年経って振り返った時に「ブログ記事」という目に見える形で自分の成長を実感できるのです。
私もブログがきっかけで「投資」や「断捨離」など、様々な新しいことをスタートすることができました。
【まとめ】価値を提供できれば、収入は後からついてくる
以上、ブログでは稼げなくなる理由とこれからの「ブログ活用術」についてまとめました。
「何が何でも毎日更新!まずはむしゃらに書くぞ!」と数を打つことも方法の一つではあるのですが、先述したように、ネットの無料情報のレベルは年々上がっています。
それらに負けない「価値」を提供できなければ、「応援したい」と思うファンはつきませんし、当然収入にもなりません。
ブログというと、とにかく「収益化」が重視されがちですが、本質は「信頼でき、役立つ情報発信」をすることです。
情報が誰かの役に立って、結果としてお小遣いが入ればいいくらいの「ガツガツしない姿勢」が、これからのブログ運営には必要になってくるのではないでしょうか。
そうだな、じゃあオレももう寝よっと!