ども。三十路を超えて、ようやく長い長い「うつトンネル」から抜け出した感のある、さん太(@PonkotsuSanta) です。
一度良くなったものの再発し、2016年秋〜2018年末頃まではしんどかったです。
「飽き性」ですが、うつ病歴だけは無駄に長いのが自慢です。
でも、もう完治したんだろ?
私も完全にうつ病を「攻略」したとは言い切れない状態ですが、うつ病患者には辛い冬の時期を安定した状態で乗り越え「コツをつかんだ」感があります。
そこで、現在もうつ病で悩んでいる方や周囲で支えている方に向けて、これまでに実践して効果があった方法をまとめます。
少し無理を重ねると再びうつ状態が現れることがあるので、「焦らず・無理せず・ゆっくりと」を心がけましょう
※この記事で紹介している方法は、全て私が実践して効果があった方法です。
しかし、うつの原因や症状、その方が置かれている状況によって最適な対策は変わってきますので、参考程度に読んでいただけたら幸いです。
他人事ではない「鬱(うつ)病」
厚生労働省の調査では、2014年に医療機関を受療した」うつ病・躁うつ病の患者数は112万人だそうです。
【厚生労働省HP】2017年世界保健デーのテーマは「うつ病」です。
流行シーズンだけで2000万人超が疾患するインフルエンザなどに比べれば、患者数自体はそれほど多くないように見えます。
そのため、うつ病の経験のない方からすると、まだまだ「他人事」の病気に感じられます。
しかしうつ病は、咳や熱など体に明確な症状が現れる病気と違う「こころの病」です。
周囲の偏見や世間体もあるので、症状が悪化しないと専門科を受診しない方が多く、実態はつかみきれていないのが現状だと思います。
また、うつ病になった後は、原因を取り除かない限り、放置しても自然に回復しないだけでなく、再発リスクの高い病気でもあります。
「うつ病」の定義付けは難しく、その原因や症状は人によって大きく異なりますが、
・自分に自信がなく、将来にも希望が持てない
・身の回りの人間関係や世の中のニュースに関心がなくなった
・好きだった趣味や物事に興味がもてなくなった
・仕事場に行くのがつらく、朝も起きられない
・わけもなく動悸や不安感、焦燥感を感じる
・ごはんが美味しく感じられない
などの状態を最近よく感じるようになったら「うつ病」になりかけているサインかもしれません。
【うつ病攻略】うつトンネルを抜け出すまでの「ロードマップ」
うつ病になると、様々な不安やネガティブな感情に押しつぶされそうになります。
しかし、落ち着いて少しずつ療養を重ねると、確実に状態は良くなっていきます。
焦らずに、心と身体の整え方を学んで、落ち着いて対処しましょう。
①専門医を受診する(心療内科・精神科等)
月並みですが、過去に受診されたことがない方は、まず専門医を受診されることをおすすめします。
「心療内科」や「精神科」と聞くと何となく暗いイメージですが、病院内は明るく、先生も穏やかに接してくださる所が多いです。
特に、自分を責めがちなまじめな方にとって「相談できる場所」に駆け込んだり「誰かを頼る」ことは重要です。
「うつ病」は家族や友人にもなかなか本音を出しづらいテーマですからね…。
私がお世話になった心療内科では、最初に丁寧な問診があって、現在の自分の状態や抱えている悩み、不安といった「頭の中のモヤモヤ」をはっきりさせてくれました。
また、近年はうつ病治療の薬の進歩もめざましいので、病院や薬が苦手という人も受診の価値はあります。
しかし一向に良くならないので思い切って受診。すると自分でも気づかなかった不安の要因がはっきりするなど、少し気持ちがラクになりました。
②症状を作っている「原因」を取り除く(または回避する)
私の経験上、このプロセスがうつ病の回復に向けて一番大切だと考えています。
専門医から処方された薬は、症状を和らげることに効果があります。
しかし薬はあくまで「対症療法」。
それだけでは根本的な解決に至らないからです。
逆に、症状が和らいだからといって無理をしてしまうと、さらに状態が悪化し薬が増える…といった悪循環に陥る危険性があります。
うつの「原因」は人によって千差万別、しかも一つとは限りません。
自分にとって「負担になっているもの」を見極め、一つずつ、ゆっくりでいいので手放していくと回復は早まります。
しかし当時は「マジメ」に働き過ぎてしまい、心身共に復不能な状態まで蝕まれていきました…。
こういったわかりやすい「仕事のストレス」が直接的な原因である場合は、無理をせずに休職を検討されることをおすすめします。
私は当時社会人経験が乏しく、ずるずると沈んでいってしまったのですが、もっと早く「生き残るために逃げる」選択をしていれば、ダメージも少なく、その数年後に待っていた「再発」も防げたかも知れません。
③悩んでいるのは自分だけではないことを「実感」する
「うつトンネル」に入り始めると、私の経験上、だんだんと視野が狭くなっていき「自分だけがなぜこんなに不幸なのか」と思いつめていきます。
俯瞰してみると、周りの上手く行っているように見える人も、ベクトルは違えど何らかの不満や悩みを抱えているのですが、視野が狭まっているので気づきにくくなります。
出世して羽振りの良い上司や同僚が、実際は、家庭やプライベートなことでは上手くいかず、密かに悩んでいるかも知れません。
なので「自分だけが不幸」というのは、完全に錯覚です。
うつ状態に陥ると、他人の「良いところ」しか目に入らなくなり、対して自分の「悪いところ」ばかりが強調して感じられます。
そのため、周囲と自分の「幸福度の差」にとても開きがあると感じられるのですが、それは事実ではありません。
あくまで、自分の「偏見による解釈」です。
現在うつ状態にある方は、素直に認められないかもしれませんが、このことを知識として知っておくと、見える風景が少しは違って見えるかと思います。
今の状況を俯瞰するための具体的な方法としては、同じような状況にある人、うつを克服された人の本やブログを読んでみるのがおすすめです。(前向きな内容、文体のものがいいです)
④しっかり「心の」休養をとる
うつ状態になったということは、特に「心」が負荷に耐えられず、限界にきてしまったということですので、「心の休養」が大事です。
「心の休養」なので、寝たきりである必要はなく、自分の「したいことを」「したいように」「今できる範囲で」やっていくことが心のエネルギーを充電してくれます。
まじめな方は、「うつ状態で(場合によっては)仕事を休んでいる身分なのに、そんなことをしてもいいのかな?」と思われるかもしれません。
しかし今は「やるべきこと」を一旦忘れて、病気を良くすることに集中して「今やりたいこと」に取り組んでみてください。
読書や、観たかった映画を観ることでも良いですし、散歩や体を動かすのもいいでしょう。
普段シャワーで済ませていたところを、ゆっくり入浴自体を楽しんでみるのもおすすめです。
植物を育ててみたり、アロマを焚いていい香りに包まれたり、リラックスできる音楽をかけるのも良いかもしれません。
体力と気力さえあれば、気分転換の旅に出るのもありです。
それと、睡眠の方法にもコツがありますよ!
疲れやすい、眠れない、不安感が消えない…そんなふうに感じたら、自律神経が弱っているサインかも。
コーヒーやエナジードリンクが手放せない人は「カフェイン中毒」を疑ってみましょう。
⑤生活習慣を見直す
生活習慣の乱れは、そのままメンタルの不調に直結します。
弱ったメンタルを健康な状態に戻していくためには、基礎となる生活習慣づくりが欠かせません。
ファーストフードや、栄養バランスを無視した食事を摂り続けていたり、運動習慣がほとんどない方は要注意。
逆に、食事や運動習慣を見直すことで、身体が健康になるだけでなく、メンタルにも良い影響を与えることができます。
健康管理の優先度、習慣化するコツは下記記事にまとめています。
また、メンタルが弱ると、手軽に快感を得られるスマホやゲームに依存しがちになります。
「スマホゲーム依存症」にならないように、上手な付き合い方を知っておくことも大切です。
⑥自分の「棚卸し」をしておく(自己理解)
心の充電ができて、気力と冷静さが保てるようになったら、この機会に自分の「棚卸し」をやっておくのがおすすめです。
・自分の気持ちや考えを文章として形にする(日記、ノート、ブログ等)
・自分の適性や価値観、やりたいこと、やりたくないことをリストアップする
・家族や友人とじっくり対話する
「自分の棚卸し」をしておくと、なぜつまづいてしまったのか?
今後はどのようにしたら良いかを考えるヒントになりますよ。
また、気持ちが前向きになったら、自分がうつ病になった理由を客観的に分析したり、心身が弱ったときに効果的な回復方法を見つけておくと、今後の再発防止に役立ちます。
・何が自分にとって負担、重荷だったのだろうか?
・日頃からできるストレス発散方法は何だろうか?
・疲れてしまったときの回復方法やマイルールを考えておく
うつ病になりやすい人は、まじめで周囲を思いやる心をもつ優しい人が多いです。
一方、ストレスを上手に受け流せず、溜め込んでしまいがちなので「瞑想」でこまめにケアしましょう。
⑦【再就職・転職】〜また歩き出すために〜
心身共に健康さを取り戻してきたら、休職・離職している方は、やがて復職することになります。
心身の状態や、かかりつけ医師のアドバイスも踏まえて、慎重に進めていきましょう。
私の場合、離職から再就職までに1年弱を必要としました。
再就職にあたっては、ブランクも空いたので、いきなりフルタイムの会社には入りませんでした。
知り合いのデザイン事務所を手伝ったり、勤務時間の少ない派遣の仕事などをこなして無理のない範囲で社会復帰。
焦らず無理せず、自分でも働けそうな条件の求人を探しました。
一人で悩まないで就職の専門家に相談
「うつ病」など精神障害を患うと、今までどおりの働き方はすぐには難しいかもしれません。
しかし、2018年4月から「障害者雇用義務」の対象に「精神障害者」が加えられたことで、就職・転職のチャンスはこれまでよりも広がっています。
そのため、一人で悩まずに障害者の就職・転職に詳しい「専門家」の力を借りるのも手。
障がい者転職エージェントのパイオニア【 エージェント・サーナ(Agent-Sana)】
は、専門のアドバイザーが完全無料で個別相談から転職活動までバックアップしてくれます。
関東圏・関西圏どちらにお住まいの方でも気軽に相談できるのが嬉しいですね。
そんなとき相談できる人がいるのは心強いですよ!
再び働き始めると、以前はできていたはずの仕事量がこなせなくなったり、残業がきつかったり、心身共に無理がきかなくなっていることを実感します。
しかし、そもそも「うつ病」になってしまったのは「無理をしすぎた」のが原因であることが多いため、ここで焦ってまた無理をすると「再発・休職」のリスクが高まります。
・適度に休憩を挟む
・休憩時間は昼寝やリラックスをする
・過度な残業はしない
・気の乗らない飲みや付き合いには参加しない
など、マイペースを保つと余計なストレスを抱えにくくなります。
今まで「仕事最優先」だった方は「健康最優先」にシフトしていきましょう。
うつ病の克服に向けて〜具体的な方法〜
以上、回復に向けての基本的なプロセスをお伝えしましたが、中でも重要なのは「心の休養」でもふれた「自分のやりたいこと」「自分が本当に好きなこと」を楽しむことです。
なぜなら、本来人間は誰しも「幸せを感じていたい」生き物ですので
の状態が続くと、やがて潰れてしまうのです。
・自分のタイプ分析
・自分の価値観にマッチした映画・本・音楽に出会う
・結果にコミットしない!ずぼら運動
・自宅に癒やしの空間を作る
・自然を求めてキャンプに行く
・ゆっくり時間をかけて半身浴
・栄養バランスを考えた食事の見直し
・息抜きのゲームを楽しむ(やりすぎは禁物)
合わせて、「痛みや負担」をできるだけ手放すことも大事です。
・「鈍感力」を磨く
・親との適度な距離の保つ(親が負担に感じている場合)
・「見栄」を手放してみる
【まとめ】「うつ病」経験は、いつか自分の「財産」にできる日がくる
以上、「うつトンネルを抜け出すロードマップ」について解説しました。
・心身の不調を感じたら悪化する前に専門医を受診する
・頭を悩ませる「原因」を一つずつ取り除く
・「自分が一番不幸ではない」人間みんな何かしらの理由で悩んでいる
・生活習慣を見直し、体調を万全にする
・心をケアする方法(瞑想など)を知っておく
・自分の本質を理解し、無理のない等身大の幸せを見つける
・復職しても油断せず、じっくり仕事に慣れるようにする
しかし、「うつ」トンネルを抜けた後に見る景色の素晴らしさは、あの時うつにならなかったら、もしかしたら人生全てをかけても見ることができなかったかもしれません…。
この記事は、今の私から「自分が世界で一番不幸で惨めだ」と思っていた過去の自分を思い出しながら書きました。
それが、今まさに、どこかで、あの時の私のように、誰にも相談できず「自分が世界で一番不幸で惨めだ」と考えている誰かのために「一歩」を踏み出すきっかけになれば幸いです。
私自身、まだ人生攻略ルートの道半ばにいる若輩者ですが、人生の最期には「あの時、うつになって本当に良かった」と思える、人生の「財産」にできたら良いなと考えています。