ども。さん太(@PonkotsuSanta)です。
以前に「親を捨てる」気持ちで親離れすべき、という記事を書いたところ、ありがたくも多くの方に見ていただきました。
その検索キーワードの中に「働かない親」「親が働かない」などの文言が含まれていたので、少なくない方が「働けるのに働かない」親御さんを抱えられて悩んでいることが推測できます。
確かに現在、日本全体が勢いをなくし貧しくなっていっている上、少子高齢化で若者の負担は重くなっています。
自分たちが食べていくだけでも難しい時代なのに、その上に働かない親の金銭的な面倒まで見ないといけないのは負担が大きすぎますよね?
私の実家でも依然としてくすぶっている問題がこの「親が働かない問題」です。
※事の経緯は前記事で書きましたので割愛します。
そこで、本記事では具体的に「働けるのに働かない」親に対して「子供側ができる自衛手段」についてまとめていきます。
・将来的に自分が親の面倒を見る予定である
・まだ定年でもないのに両親が働かなくなった
・貯金も少ないのに両親とも働く気がなく楽観的
・帰省するたびにお金を貸してほしいと頼まれる
・親へ仕送りしているが、正直きつい。仕送りをやめたい
・同居している親が働かず、自分がお金を出さざるを得ない
親と子の縁は最も断ちづらいが…?
200万部超の大ベストセラーになった「嫌われる勇気」でも「親子の関係は最も太く、断ちづらい」と書かれているとおり、親子の縁は切ろうと思ってなかなか切れるものではありません。
だからこそ、赤の他人であれば断固拒否できるお金がらみの問題も、親子の情で子供側が引き受けなくてはならない場面もでてきます。
しかし「嫌われる勇気」を読まれた方なら納得できると思いますが、親と子は血の繋がりこそあるものの、完全に別の人生を歩んでいる者同士です。
親は親の人生があるし、子も子の人生があります。
本来、必要以上に相手の人生に肩入れする必要は無いのです。
「嫌われる勇気」は、心理学者アルフレッド・アドラーの確立した「アドラー心理学」をわかりやすく解説した名著です。
「責任」を適切に分断することで、対人関係で不必要に悩まなくなる方法が書かれていますので、親子関係以外でも、対人関係で何らかの悩みを持つ方であれば一読をおすすめします。
親が依存体質になるのは子供側にも原因がある
親の一生はあくまで親の責任。
突き詰めれば、親の責任を子供側である私たちがかぶる必要はありません。
しかし、親子の情は断ち切り難く、質の悪い親であれば、「育ててやった恩を返せ」とばかりに訴えてくるケースもあるようです。
そこまでひどくない場合も、最初は少しだけお金を貸してあげるつもりがどんどんエスカレートしていって…という悪循環に陥る場合もあります。
悪気がなくても、人間心理は「借りたお金の恩はすぐ忘れる」ようにできています。
特に、金銭感覚にルーズで、浪費癖があったり貯金がいつまでもできない人は、この傾向が強いです。
こうなると言い方は良くないですが「親から搾取されている」「親のATMになっている」といっても過言ではありません。
親からしてみても、しんどい労働をせずにお金が手に入るので、子供に依存しがちになり、まだ働ける年齢・健康状態であっても、ますます働く意欲は失われ、働きづらくなります。
結果、子供への依存性がより強まるので、時間が経てば経つほど経済的な立て直しは難しくなるのです。
つまり、親に依存されず、できるだけ長く元気に働いてほしいなら、情に流されないで毅然とした態度をとらなくてはなりません。
今すぐにできる「3つの自衛手段」
親のためと思って支援してきたことが、逆に労働意欲を奪っている…。
そのことに気づいてから私が順番に取り組んできた「今日からすぐ実行できる」自衛方法をお伝えします。
①「子供には頼れない」雰囲気をつくっておく
誰かに頼るようになると、人は例外なくダメになります。
子沢山な親御さんだと、「息子・娘たちの誰か一人くらいは面倒をみてくれる」と楽観的になっているかもしれません。
しかし子沢山=一人ひとりの学歴は低い→低収入に繋がっているケースも多く、その場合、兄弟の誰もが自分たちの生活で精一杯になっていることでしょう。
そこでまずは、普段のコミュニケーションで「子供には頼れない」雰囲気をつくっておきます。
理由は何でもいいのですが、結婚資金を貯めている、給料が増えない、働き方改革で残業代が減ってしまった、友人の結婚式続きでピンチ…など、実際はどうであれ、自分たちの家計が厳しい状況を、普段の会話やメールで暗に伝えておくことです。
両親に「自分たちの老後は自分たちである程度なんとかするしかない」意識を早い段階から持ってもらうことで、いい意味で「緊張感」が生まれ、働いたり倹約してもらいやすくなります。
ポイントは、あくまで「自分のことで精一杯だから、大した事をしてあげられなくてごめんね」というメッセージを送り続けること。
行動に一貫性を持たせるため、誕生日や記念日に、あまり高価な贈り物をしないのも手です。
②お金の代わりに情報をプレゼントする
人間誰しも歳を重ねると、新しい情報に鈍くなってしまうものです。
特に親の年代は、パソコンやインターネット、携帯電話周りの情報に疎い方が多く、量販店や訪問販売で、勧められるまま契約してしまったプランをずっと使い続けているケースが多々あります。
家計が苦しいながらも、解約の仕方がわからず、昔ながらの高い保険や通信費をいまだに払い続けていることも…。
そんな時、プラン変更や解約を手伝うことも、十分な支援になります。
あなたにとって大した事のない作業も、ITに不慣れな親御さんにとってはかなりありがたいことに違いありません。
また、実家に眠っている不用品を処分してお金に替えたり、不慣れなパソコン操作を教えてあげることも、もしかすると単純にお金を渡すよりも価値があるサポートに繋がるかもしれません。
- 家計の見直しを手伝う
- 探しものや仕事先をネットで一緒に探す
- パソコン操作や楽しみ方を教えてあげる
- 不要な契約やオプションの解約を手伝う
- ネットを使った不用品の処分を代行する
- ネット通販で買ったほうが得なものは代わりに注文する
- 携帯やネット環境をよりお得なプランに変える手伝いをする
このように、経済的な援助だけがサポートの形ではなく、その気があればいくらでも「情報」で手助けすることはできるのです。
③少額でもお金の融通をしない
少しでも良識のある親御さんであれば、上記①〜②を徹底していれば、お金の無心をされることはまずないと思います。
しかし、それでも何らかの理由をつけて仕送りや経済的な援助を求められる場合があるかもしれません。
その際は、ためらわず断固拒否すべきと考えます。
なぜなら、たとえ一度でも貸し借りの「実績」をつくってしまうと、それを良いことに要求がますますエスカレートする可能性があるためです。
エスカレートを未然に防ぐためには、金銭の貸し借りは最初からしない・させないが鉄則です。
私の両親は、それほどひどくなかったのですが、世の中には子供の幸せより自分の幸せや快楽を優先させてしまういわゆる「毒親」は存在します。
「嫌われる勇気」で紹介されているアドラーの考え方で「他人の課題に介入しない」というものがあります。
親といっても、結局は「他人」であり、親の課題はあくまで親のもの、親に責任があります。
お金がない親の面倒は子供がみる必要・義務はあるの?
民法には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。つまり法律上は「親の面倒は子がみるもの」といえます。
しかし、子供側の経済状況が苦しい場合でも、お金がない親の面倒を全面的に見なければいけない、ということではありません。
自分の生活だけで精いっぱい、余力がない、という場合には、「自分の親及び兄弟姉妹に対する扶養義務」は認められません。自分の親や兄弟姉妹に対する扶養義務は、「自分の生活を犠牲にしてでもすべての面倒を見る義務」ではないのです。
「扶養義務」にも優先順位があり、夫婦や自分の子供の扶養が最優先されます。自分たちの生活が苦しいなら、親や兄弟の金銭的な援助は必要ないのです。
親が働かないなら、まず自分が「収入アップ」を目指す
両親に「働いてほしい」を何度も頼んでも、まったく言うことを聞いてくれない場合、仕方ないですが、まずは自分たちが「収入アップ」を目指すしかありません。
親が働いていない場合、おそらく貯蓄もほとんどないでしょうから、突然の病気や介護などで「急な出費」が発生した時の備えも必要です。
今働いている会社で、十分な昇進・給料アップが期待できればいいのですが、難しい場合は「転職」「副業」「投資」のいずれかを検討する必要があります。
幸い日本は人手不足。社会保障も整っているので、私のように無一文からでも数年で復活できます。
私が着実に資産形成している「がんばらない投資術」は以下の記事にまとめています。
将来あなたも搾取されるかも?毒親を見抜く5つのチェックリスト
今はまだ問題が表面化していなくても、将来、子供に依存してくる「毒親」になりやすい親の傾向をまとめました。
親御さんにこれらの傾向がある場合、いつか「重い負担」になってくるかもしれません。
その時は、上記の「3つの自衛手段」を使って逃げることをオススメします。
- 本(実用書)や新聞を読まない
- 仕事への意欲がない
- 金銭感覚がルーズ
- 過保護・過干渉
- 将来設計がない
本(実用書)や新聞を読まない
本や新聞を読んでいない、勉強しないタイプは成長が止まってしまい、リストラ等で早期に「働かなくなる」可能性があります。
テレビや小説、ゲーム、マンガなど「娯楽」にかける時間が多いタイプも要注意。
また、勉強しないタイプは、脳の衰えも早いので「ボケ」が早くくるかもしれません。
仕事への意欲がない
最近は会社の定年が伸びたり再雇用が進み「能力・意欲がある人」は歳を重ねても働きやすくなりました。
一方で、昨今は会社内の高齢化に悩む大企業を中心に「希望退職」「早期退職」を推し進めるのがトレンドになってきています。
親が「働く意欲」が乏しいタイプだと、早期退職制度にのっかって早々にリタイアしてしまう可能性も考えられます。
老後も暮らせる貯金が十分にあれば良いのですが、そうでない場合は注意が必要です。
金銭感覚がルーズ
大きな買い物や分割払い(ローン)を組むことに抵抗がないタイプは、まず間違いなく「老後の蓄え」がないため、生活が苦しくなったら子供を頼ってきます。
「アリとキリギリス」で言うところの「キリギリス」です。
目的がないのに買い物によく行く、安売り店で爆買いするタイプも要注意。
過保護・過干渉
別記事「やってはいけない教育法」でも取り上げた「過保護」タイプの親も将来、子供側に依存してくる可能性があります。
「過保護」タイプの親は、「自分は子供に尽くした」という意識を持っているので、後で「見返り」を求めてくるかもしれません。
大人になってからもプライベートに口出しや干渉してくる親、「親孝行しろ」「お前を育てるのは大変だったんだぞ」などの恩着せがましい言動が目立つ親は注意が必要です。
将来設計がない
「人生なんとかなるさ」と楽観的な考えの親、老後の計画がない親も要注意。
結局、歳を重ねてから行き詰まり、子供を頼ってくる可能性があります。
昔は労働人口が多く日本全体が右肩上がりに成長していたので、老後不安はそれほど考えなくても良かったのですが、現在は違います。
親が50代を超えたら、それとなく将来設計について聞いてみましょう。
【まとめ】「過去」と「未来」どちらかに100万円を使うなら?
以上、「働かない親をどうするか?」問題と、親に搾取されないための3つの自衛手段について書きました。
もしあなたに、自由にできるお金が100万円あって、どこかの会社に投資したいと考えるならどこを選ぶでしょうか?
迷わず「今後伸びそうな会社」「ビジョンや将来性のある若い会社」を選ぶのではないでしょうか。
間違っても、資金繰りに厳しく潰れそうな会社にお金を預けたいとは思いません。
つまり、同じ100万円を使うのでも「未来あるもの」に投資する100万円の価値は全く違うのです。
家庭において「未来あるもの」とは、現役世代である私たちや、次世代の子供たちです。
このことを頭に置いて、家族間のお金の問題に冷静に対応したいものです。
自分の子供に将来負担をかけないように、今からしっかりと健康や家計管理をしておきたいですね。