ども。さん太(@PonkotsuSanta)です。
「アラサー」になると、親・親戚などから「いつ結婚するの?」「お相手はいる?」と聞かれることが多くなります。
また反対に、結婚適齢期の子供(息子・娘)をお持ちの親の立場からすると、「わが子はいつになったら結婚するんだろう?」とやきもきしてしまいますよね。
本記事では、結婚しない若者が増えている理由・メリット・デメリットについて解説します。
・独身が長く「親に迷惑をかけている」「親不孝」と感じて悩んでいる
・「いつ結婚するの?」と親・親戚・上司などからプレッシャーを感じている
・子供(息子・娘)が結婚しないのはなぜ?結婚しない理由を知りたい
結婚しない男は親不孝?ずるい・情けないという意見も……本当にそう?
近年、結婚適齢期にも関わらず「結婚しない」という若者が増えています。
2020年の国勢調査によると男性の生涯未婚率は25.7%。
実に男性の4人に1人は50歳までに一度も結婚しないという事実が数字に表れています。
外国籍者を含む総数による2020年の生涯未婚率は、男25.7%、女16.4%となった。大正時代からの長期推移のグラフを見れば一目瞭然だが、国勢調査が始まって以来の過去最高記録である。
とは言え、「結婚しない派」はまだまだマイナー。ネットの意見を見ると「結婚しない派」に対する批判的な見方が多いのも事実です。
・自己中な性格が原因で結婚できないのでは?
・子供を持つと大変なのに、独身貴族はラクしているのはずるい
・いい歳して結婚できないやつは親不孝だし、責任感のないダメな奴だ
一生独身の「結婚しない男」は親不孝?
人間も生き物である以上、「子孫を残す」本能がDNAレベルで組み込まれていることは間違いありません。
なので、親の立場からすると、子供が結婚しない(=家系が途絶えてしまう可能性が高くなる)のを残念に思うのは仕方ありません。
「孝行」か「不孝」の2択で言えば、多くの場合「不孝」である、と言えるでしょう。
ただ、結婚は親のためにするものではありませんし、よく考えた上で「結婚しない」という判断を下すのはありだと思います。
私も、「ふるさと納税」を活用して毎年数万円分のギフトを実家に贈っています。喜ばれるだけでなく、親との会話の機会も増えるのでおすすめです。
一生独身の「結婚しない男」「独身貴族」はずるい?
結婚して子供が生まれると、どうしても「子供中心」の生活になります。
子供のいる親の立場からすると、悠々自適に暮らす「独身貴族」はうらやましく「ずるい」と思うのも無理はありません。
しかし、独身の立場からすると、病気をして寝込んだとき看病してくれる人がいないなど、独り身にもリスクがあります。
また、休日の公園で親子が仲睦まじく遊んでいる光景はほほえましく、「家族っていいなぁ」と思うことも少なくありません。
仕事の上でも「結婚」「子供がいる」ことは一種のステータスですし、人事評価(出世や昇給)にプラスに働くケースもあります。
なので、どちらが得でどちらが損、という簡単なものではないと考えています。
一生独身の「結婚しない男」は情けない?
特に男性は、結婚できないと「甲斐性がない」「情けない」と思われがちです。
この考え方は結婚が当たり前だった世代の方に多いので、人事権のある年配の上司から「未婚=責任感がない」と思われて昇進できなかったり、実害もあります。
未婚者に限らず、社会の少数派(マイノリティ)は待遇面で軽んじられるのはよくあることなので、「未婚のデメリット」の一つと言えます。
しかし、「結婚できる・できない」は正直、「運」によるところも大きいというのが、数字に現れています。
2021年の男女400名に対するアンケート調査によると、「結婚相手との出会いのきっかけ」は合計53%が「職場や学校で出会った」「知人・友人から紹介された」と答えています。
●今のパートナーと出会ったきっかけを教えてください。
[対象者] 調査対象:20~50代の男女400名
1位:職場・バイト先 27%
2位:知人・友人からの紹介 15%
3位:学校・部活 11%
4位:ネット(マッチングアプリ・SNSなど) 6%
「恋活・婚活」のマッチングアプリもだいぶメジャーになりましたが、全体に占める割合はわずか6%。
さらに言えば、パートナー選びで重要な、容姿や声、健康状態、性格も「授かりもの」であり、自分では根本的に変えられない部分も大きいです。
これらも考慮すると「結婚できた=運が良かった」部分が大きく、「情けない」と断じるのは論理的に無理があると言わざるを得ません。
「結婚しないのはおかしい」が「過去のもの」になる4つの理由
前述の通り、未婚者に対する社会の風当たりはいまだに強いものがあります。
しかし、「結婚するのは当たり前」「結婚しないのはおかしい」という考え方は、過去のものになりつつあります。
2040年には日本人口の「約半数」が独身になるという推計もあり、もはやマイノリティ(少数派)とは言えなくなる未来が来そうです。
2040年には15歳以上の人口が約1億人で、独身が4600万人。有配偶が5200万人ということです。
日本は超高齢国家とかいわれていますが、高齢者人口は3900万人ですね。
3900万人の高齢者よりも独身の4600万人のほうが多いわけですよ。
未婚率の上昇は日本だけの問題ではなく、お隣の韓国はより顕著に「未婚化」が進んでいます。
韓国統計庁によると、2020年現在の統計値では30代人口(662万7045人)中、未婚人口は281万5227人(42.5%)という数字が出ている。
30代の未婚率は2015年の比率(36.3%)よりも6.2ポイント増と増加幅が最大となっただけでなく、初めて40%台を超えたのである。
結婚しない若者が増えている理由は、大きく分けて3つあると私は考えています。
価値観の多様化で結婚が「必須科目」から「選択科目」へと変わった
テレビや新聞、雑誌などの「マスメディア」が全盛期だった頃は、人々の価値観はメディアによってコントロールしやすいものだったと思います。
昔のドラマ、漫画に「結婚してハッピーエンド」で締めくくられる作品が多かったことを考えると、それを見て育った子どもたちは「結婚して幸せな家庭を築く」ことが共通のゴールだと認識します。
しかし、現在はインターネット・SNSの普及によって、マスメディア以外にも、多種多様な考え方にふれる機会が増えました。
そのため、誰もが「結婚」という共通目標を持つ時代は、もはや過去のものになりました。
今の若者にとって、結婚は「必須科目」から「選択科目」へと変わっているのです。
歴史的に見ると「皆婚時代」が異常だった
国勢調査が始まった1920(大正9)年からの1980年代までは「皆婚時代」と呼ばれ、男女ともに生涯未婚率は5%未満でした。
この影響で、長らく「結婚するのは当たり前」という価値観が根付いているのですが、それよりももっと前の時代はまた事情が異なります。
明治民法が制定されるまでの日本人庶民の結婚とは、限りなくお互いが精神的にも経済的にも自立したうえでのパートナー的な経済共同体という形に近かったわけです。
別の見方をすれば自由でもあり、夫婦の関係は対等でした。
それが、明治民法により、庶民の結婚も「家制度」「家父長制度」に取り込まれることになり、主に妻の経済的自立と自由が奪われることになります。
夫は外で仕事、妻は家事と育児という夫婦役割分担制もここから「あるべき夫婦の規範」として確立していきます。
それにより、女性にとって結婚とは生きるための就職のような位置づけとなり、基本的に結婚をしないという選択肢はありませんでした。
そこで大いに機能したのが「お見合い」という社会的なマッチングシステムなのです。実は、これこそが結婚保護政策の最たるものです。
つまり「皆婚時代」というのは、法律によって強権的に作られたものであり、本質とは異なる異常なものだった、と言えます。
世界的なミッションである、「SDGs(持続可能な開発目標)」でも「男女平等」をあるべき本質として目指していますが、日本のかつての制度はそれと相反するものでした。
江戸時代以前のような、男女が対等な社会に「原点回帰」するにあたり、結婚を選ばない人が増えるのは致し方ないのだと思います。
様々な要因により「結婚するメリット」が薄くなっている
人間は誰しも「得をしたい」「損したくない」欲求を持っています。
つまり、結婚することが「デメリット<メリット」だと感じられる人は結婚を選び、そうでない人は未婚を選ぶ、という理屈です。
日本は、給料が伸びず経済格差も広がったため、何かとお金のかかる「家庭を持つ」ことのハードルは相対的に高くなりました。
また近年は「働き方改革」等で残業代もカットされ、高齢化に伴う税・保険料負担が現役世代に重くのしかかっています。
一方で、結婚を意識する年齢が上がったことで「相手に求める条件」のハードルも上がってしまったことも一因でしょう。
10代の恋愛であれば「外見の好み」だけで良かったのが、アラサーともなると、外見だけでなく「年収」「価値観の一致」「家柄」「ファッションなどのセンス」……などなど、歳を重ねて「目が肥えた」分だけ、相手に求める条件も厳しくなっていきます。
まとめると、結婚に対するデメリット(ハードル)が大きくなったことで、結婚の動機づけとなるメリットが相対的に薄れてしまい、「未婚」を選ぶ人が増えたのだと考えられます。
「生物的本能」によって「結婚しない」を選んでいる
人間も生き物ですので、「生物的本能」には抗えません。
「生物的本能」は、例えば「生存欲求」や「子孫を残そうとする欲求」です。
また「子孫を残す欲求」 < 「生存欲求」のほうがより優先順位が高くDNAにプログラムされています。
農業や製造業が主産業だった昔は、働き手になる子供が多いほうが、一家の「生存確率」が高くなっていました。
しかし現代は産業構造が変化したため、昔のような子育てのインセンティブは働きにくくなっています。
さらに前述のような「結婚・子育て」のハードルが上がったことで、「結婚しない」選択をしたほうが、経済的な余裕ができ「生存確率」が高い場合もあります。
結婚しないメリット・デメリットとは?人生設計はどうしたらいい?
「結婚は損得でするものではない」という意見もありますが、現実には「メリット」「デメリット」が存在するもの事実。
「メリット」と「デメリット」を理解して、後悔のない選択をしたいものです。
結婚しない「メリット」まとめ
・人間関係の煩わしさが少ない
・親戚関係の煩わしさが少ない
・趣味や自分の時間を多く確保できる
・お金を自由に使える
・転職や引っ越しが身軽に行える
・ズボラ家事でもOK
・我慢・忍耐が不要
結婚するとどうしても「付き合い」が増えるので、内向的なタイプにはハードルが高く感じられます。
また、現在は娯楽がとても多いので、趣味や自分の好きなこと、やりたいことに没頭した人も多いでしょう。
特に映画やアニメの好きな人なら、生涯をかけても観きれないような作品数があるので、時間とお金はいくらでも欲しいもの。
結婚生活も、パートナーと価値観がうまく合わせられれば良いのですが、現在は価値観が多様化していて、これも至難の業です。
企業間の競争激化で、仕事でも多大なストレスを抱えているのに、家に帰っても心安らげない……というのでは、何のために結婚したのかわかりません。
結婚を目指すなら、こういった事態は避けたいものです。
私は、資産のほとんどを株式や仮想通貨などで持っているのですが「投資は危ない」と信じている人もまだまだ多く、理解のある人になかなか出会えませんでした。
「投資」は、私のような「人生ハズレくじ」を引いてしまった人でも資産形成できる方法なのですが……。
結婚しない「デメリット」まとめ
「結婚しないデメリット」は「結婚するメリット」と言い換えられます。
・体裁が守れる
・親が安心できる
・安らぎが得られる(パートナーと相性が良い場合)
・子供がいれば生きがいも増える
・病気や老いで自由がきかないとき面倒を見てもらえる
・出世・昇進しやすい(人事に有利)
・扶養控除や家族手当等の経済的なメリットがある
結婚しないと、上記のメリットが得られない可能性があります。
日本は長らく(半強制的とは言え)「皆婚時代」を経験していますので、「いい歳して未婚はおかしい」という考え方の人がまだまだ多いです。
結婚してしまえば、ある程度の面子は保てますし、親も安心できます。
会社から見ても、家庭(子供)や住宅ローン持ちの人は、仕事がキツくてもすぐには辞めないので、安心して昇進させられるでしょう。
昇進して役職が付けば、社会的な信用も増します。
日本の管理職は不遇ですが、部下を持って大きな仕事をしたい人にとってはメリットになります。
上記の通り、結婚にもメリットは多くありますが、社会の変化により「結婚しないメリット」が増える一方で「結婚するデメリット」は昔よりも大きくなっており、未婚を選択をする若者は今後も増えると思われます。
もし、日本をかつての「皆婚時代」に戻すなら、(倫理性は度外視して)独身者に重税を課し、子育て世帯に手厚い補助金をバラまくなど、「結婚・子育てしたほうが圧倒的に有利」という環境を人為的に作るしかないでしょう。
生涯独身を貫くなら「今までとは違う人生設計」が必要
もし「生涯独身」を選ぶなら、子育て世帯とは違った「人生設計」が必要です。
・人生の目的・目標
・長く続けられる仕事や趣味、生きがい
・社会人サークルやコミュニティ
・既婚者からの「マウント」に耐えられるメンタル
・規則正しい生活リズム、食生活や運動習慣
・「もしも」に備えた多額の貯金
結婚して子供ができれば「子供の成長」が目的・生きがいになるので、「自分の人生の目標」についてはあってもなくてもあまり問題にはなりません。
しかし、そうでない場合、何らかの「目的・目標」を設定しないと、時間を持て余してしまいます。
人間は結局「集団で暮らす生き物」なので、「完全に孤独」というのはよほどの人でないと耐えられないもの。
プライベートな話もできる友人、同僚、サークルやコミュニティなど趣味で繋がれる仲間がいると安心です。
今はだいぶ減りましたが、未婚者に対して平気で「マウント」をとる既婚者もいるので、ある程度の誹謗中傷は受け流せるメンタルも必要です。
・孫の顔を見せられないなんて、親不孝なんじゃないの?
・独身なら家に帰ってから何してるの?暇なんじゃない?
・独身は気楽でいいよね。こっちは仕事と家庭を両立しないといけないのに
・身勝手な独身が増えるから少子化が止まらないんだよね ……などなど
また、病気などで動けなくなっても、一人暮らしだとすぐに頼れる人がいないため、日頃の健康管理は人一倍気を遣ったほうが良いでしょう。
しかし「老い」は誰にでも訪れるので、もしものための多額の貯金が必要です。
今は結婚するつもりがなくても、いずれ気が変わるかもしれませんので、貯金(金融資産)は多いに越したことはありません。
そして、一人暮らしは何かとお金がかかります。
今後は日本でも物価上昇(インフレ)は急速に進むと予想されますので、今から対策しておくことが重要です。
【まとめ】「結婚しない」にもメリット・デメリットあり!後悔しない選択を
以上、結婚しない若者が増えている理由・メリット・デメリットについて解説しました。
・「結婚しない派」はまだ少数であり、批判的な意見も多い
・「結婚しない」選択をする若者は今後も増えると予想される
・「未婚」にもメリット・デメリットがあり、将来後悔しない選択が必要
約5人に1人は「生涯独身」という現代の日本。
「結婚しない」選択もアリ、と言えそうですが、生涯独身を貫くにもメリット・デメリットがあり、後悔しない選択が必要です。
しかし、「結婚しない」層にも「結婚したいのに(お金がなくて)できない」若者は一定数いるので、そういった人たちが安心して結婚できる社会に変わっていくと良いですね。