ども。さん太(@PonkotsuSanta)です。
ありがたくも、現在は働きがいも収入も職場環境も恵まれているのですが、一般的に「デザイナー」と名前のつく職業は、専門職にも関わらず「給料が低い」という欠点があります。
まして「年収1,000万円」を目指すとなると、ごくごく一握りのトップデザイナーしか到達できないイメージがあります。
しかも、彼らトップクリエイターは、経歴を見ても才能や学歴に恵まれていることがほとんど。
専門学校卒で年収200万円時代の私はこのように考えていました。
しかし、「戦略」次第では「年収1,000万円」も不可能ではないことに気づき、戦略を変えたところ、現在も年々収入を上げ続けることができています。
本記事では「年収1000万円超え」のデザイナーを目指す3つの戦略について、私の実体験を元に解説します。
・デザインの仕事は好きだけど給料がとにかく安い……
・30代になって責任は増えたけど給料が上がらない……
・残業が多く将来を考えた時デザイナーの仕事を続けるべきか悩む……
「デザイナー」の平均給与はどのくらい?30代・40代でも厳しい現実が…
一般的に「デザイナー」と呼ばれる職種は、専門スキルや経験を必要とする割には給料が安い傾向にあります。
転職関連の情報サイト「転職会議」の調査によると、デザイナーの全世代平均給与は以下のようになっています。
WEBデザイナー:338万円
参考:グラフィックデザイナーの年収まとめ(転職会議)
参考:WEBデザイナーの年収まとめ(転職会議)
この数字は、給料の低い若年層だけではなく30代〜40代のミドル〜ベテランデザイナーを含めた平均値です。
デザイナーの仕事は都市部に集中しているので、都会の生活コストを考えると厳しい金額であり「専門職なのに低収入」という職業なのです。
「グラフィックデザイナー」の仕事内容は多岐にわたり、「印刷でできる平面物」はすべて守備範囲になります。
具体的には、街頭のサインやポスター等の広告物、カタログ、パンフレット、フライヤー(チラシ)、POP等の販促物、企業・ブランドロゴや名刺やショップカード等ブランディングに関わるデザイン、商品を包むパッケージなどが主な制作物です。
また最近は広告媒体がデジタル化しているので、WEBページのバナーやデジタルサイネージなども仕事内容に含まれてきます。
おそらくこれらを一つも目にしない日はないと言っても過言ではないくらい、世の中にあふれるほとんどの商品には「デザイナー」が関わっています。
それだけ重要な職業であるにも関わらず、グラフィックデザイナーの30代平均年収は「359万円」、40代でも「372万円」です。(転職会議調べ)
自分の手掛けたデザインが全国・全世界に発信・販売されるので、やりがい「は」あるのですが、いかんせん収入が低いのが悩みのタネ、というのがデザイナーのリアルなのです。
デザイナーの給料はなぜ低い?低年収には3つの理由がある
特殊技能が必要なスペシャリストにもかかわらず、なぜこんなにも「デザイナー」の給料は低いのでしょうか?
それには大きく分けて3つの理由があると考えています。
- 景気に左右されやすい
- 付加価値を創造していない
- 継続的な利益を生みにくいビジネスモデル
景気に左右されやすい
デザイナーの仕事は「広告・販促物」に関係するものが大半です。
広告宣伝費は景気が悪くなると真っ先に削られるコストなので、そのしわ寄せを受けやすいのがデザイナーの宿命。
デザイン会社もそれが分かっているので、不景気で会社を潰さないために日頃から運転資金(キャッシュ)を貯めておく必要があります。
そのため人件費(=デザイナーの給料)は切り詰められる傾向にあるのです。
付加価値を創造していない
デザインの仕事のほとんどは「付加価値」を創造することです。
そのため提供できる「付加価値」が大きければ大きいほど会社の売上は増え、個人の収入も伸びます。
私は現在の職場でいくつかのデザイン会社と取引があるのですが、優秀なデザイン事務所は次のような「付加価値」を提供しています。
・オリジナル企画・商品の提案力がある
・トレンドのリサーチ・分析能力が高い
特にマーケティング、商品企画・開発は各企業とも頭を悩ませるところなので、この分野で積極的に提案ができるデザイン会社は強いです。
逆にクライアントから言われた仕事をこなすだけ、という受け身の会社は売上が伸びづらく、デザイナー個人の給料も増えない傾向があります。
継続的な利益を生みにくいビジネスモデル
私が以前勤めていたデザイン事務所でもそうだったのですが、多くのデザイン会社は「自社商品」を持っておらず、顧客企業からの受注で食べているのが現状です。
そのため、継続的な利益を生みづらく、顧客企業と一蓮托生の関係になりやすい構造になっています。
もちろん顧客の業績が傾けば、それにつられて自社の経営も厳しくなります。
経営を安定させるには、継続的に利益を生んでくれる自社商品の開発が必要です。
年収1000万円超えデザイナーを目指す3つの戦略
このように「デザイナー」は、業界やビジネスモデルの構造上、収入を伸ばしにくい傾向にあります。
給料の伸びない会社にずっといても劇的に待遇がよくなることはありません。
そのため、漠然と仕事をこなすのではなく、「戦略」を考えてキャリアを積み重ねる必要があります。
「年収1000万円超え」を目指すのであれば、方法は3つしかないと考えています。
- 自身の提供できる「付加価値」を最大化する
- すでに「売れている商品」をもった会社に転職する
- 副業で「プラスα」の収入を得る
自身の提供できる「付加価値」を最大化する
まず1つ目は正攻法です。
先ほど、「デザイン=付加価値を創造する仕事」という話をしたとおり、もっと稼ぎたいのであれば「自分の提供できる付加価値」を上げるのが最も早い方法です。
これは単純にデザインの巧拙だけではありません。以下のような「+α」のスキルを掛け算することで、自分の市場価値を上げることができます。
・映像編集
・プログラミング・コーディング
・企画提案
・マーケティング
・トレンドリサーチ
・プロジェクトマネジメントスキル など
変化の早い現代では、一つのスキルだけで生涯渡り歩くのは難しいので、積極的に「サブスキル」を習得し、本業のメインスキルと掛け算する必要があります。
スキルの掛け合わせについては別記事別記事で詳しく解説しています。
自分の市場価値が上がれば、より待遇の良い会社へランクアップの転職も可能ですし、自分の顧客がつけば独立も見えてきます。
すでに「売れている商品」をもった会社に転職する
デザイン業の構造的な弱さは「自社商品がない」という、収益の不安定さによるところが多いです。
そこで次に考えられるのは、すでに売れている「自社商品を持つ」会社へ転職する方法です。
規模の大きいメーカー、小売業などは自社でデザイナーを抱えている会社が多く、ここで働くデザイナーをインハウスデザイナーと呼びます。
インハウスデザイナーは、メインの仕事が「自社商品」に関連する広告・販促物のデザインになるので、デザイン事務所に比べて仕事の幅は狭くなるのですが、不景気でも安定した仕事と給料が見込めます。
また、デザイン事務所は受注仕事メインのため、どうしても締め切りに追われ、長時間労働せざるを得ない体質があるのですが、インハウスであれば比較的ホワイトな職場環境で働けるのもメリット。
「年収1,000万円」を目指すのであれば、上場企業で管理職クラスになる必要はありますが、次に挙げる「副業」を組み合わせれば、非管理職でも「年収1,000万円」は可能です。
そのため、副業に取り組む時間を捻出しやすいインハウスデザイナーを選ぶ、というのも手段の一つです。
副業で「プラスα」の収入を得る
サラリーマンのデザイナーにとって、いい仕事をしてもすぐに給料アップに結びつかないのが悩みの種です。
そのため視野に入れたいのが「副業」。
専門スキルを要するデザイナーは幸いにも「副業」に取り組みやすい職業なので、個人でも積極的に仕事を取りに行くことをおすすめします。
クラウドソーシングではどうしても過当競争による「価格破壊」があるので、私の場合は地道に、リアルでお会いした人脈づてでお仕事をいただくスタイルでやっています。
サラリーマンデザイナーだと「作る」ことに集中していれば良いのですが、会社の看板や実績なしに「自分の仕事を獲る」のは営業力・提案力も必要になります。
最初はすごく大変ですが、必ず成長できますし、デザイン力以外の「自分の付加価値」を磨く上でも今後のキャリアアップにつながります。
多くのデザイナーがやっていない「収入アップの裏ワザ」
おそらく、多くのデザイナーが取り組んでいない収入アップの裏ワザ的方法が「投資」です。
デザインに関わる人は職人気質の方が多いので、「お金にはこだわらない」方が多いのですが、余剰資金が貯まったら何かしらの投資活動をやっておいたほうが良いと私は考えます。
投資を始めると、資産形成のスピードが飛躍的に早くなります。
私自身、投資をしていなかった20代始めの頃は、200万円貯金するのに3〜4年かかっていましたが、現在は1年で200万円以上のペースで資産が増えていっています。
私は20代半ばで「一文無し」になっていますが、そこからV字回復できたのも「投資」に目覚めたのがきっかけでした。
「仕組み化+ほったらかし」でできる「がんばらない投資術」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【まとめ】デザイナーでも十分に稼げる!まずは「戦略」を見直そう
以上、年収1000万円を目指すデザイナーがとるべき3つの戦略について解説しました。
・構造的にデザイナーの収入は上がりにくい
・市場価値を上げて転職・独立するためにスキルを掛け合わせる視点が必要
・安定したインハウスデザイナーになるのも選択肢の一つ
・副業&投資で複数の収入源をつくる
今では見直されつつあるものの、日本は昔から「デザイン」に対しての価値が低く見積もられてきた歴史があるため、今でも多くのデザイナーが労力に見合わない収入に悩んでいることと思います。
しかし「戦略」とスキルアップ次第では、より良い環境に移ったり、収入源を複線化することもできます。
今回ご紹介した方法を組み合わせれば、本業の年収が800万円で頭打ちになったとしても、副業で+100万円、投資で+100万円(資産1,000万・年間利回り10%)を加算することで「年収1,000万円」の大台を目指すことは可能です。
そのため「デザイナーでは稼げない」と悲観するのではなく「稼げるデザイナーになるにはどうしたら良いか?」を考え、実行に移していくことが大切です。
時代はどんどん変化していくので、その中で勝ち残れる「戦略」を考えることが大切です。