ども。絵本大好き、さん太(@PonkotsuSanta)です。
誰しも昔、絵本やテレビで「童話」や「昔ばなし」を読み聞かせてもらった記憶があると思います。
「つるの恩返し」「みにくいアヒルの子」「はだかの王様」など、大人になった今でも、題名を聞けば大まかなストーリーは思い出せる話はいくつかあると思います。
それだけ簡潔で印象深い話が多い「童話」ですが、今でも語り継がれるのにはちゃんとした「ワケ」があります。
それは、子供にもわかるストーリーの中に、人生で知っておいたほうが良い「教訓や知恵」が散りばめられていること。
この「教訓と知恵」を私たち大人側が知っているか知らないかで、絵本や童話の読み聞かせの効果は全く違います。
本記事では、特に「人生で役立つ教訓」を与えてくれる童話を厳選してご紹介します。
・名作童話の裏に隠された教訓を知りたい
・童話の読み聞かせで子供の考える力を育みたい
・子供の頭を良くする読み聞かせた方法について知りたい
【童話の教訓が深い…】人生を教えてくれる「子供に読み聞かせたい」童話
絵本や童話、昔ばなしと聞くと、「幼稚で子供が読むもの」というイメージがありますが、実は大人にとっても、人生を生きる上で重要なヒントがたくさん隠されています。
そもそも名作と呼ばれる童話や昔ばなしは、「この物語の教訓をわが子にも覚えておいてほしい」と願う親が子へ語り継いできたものです。
だからこそ「名作」なのであり、表面的にはわからない「奥深さ」を秘めているのです。
そして、読み聞かせる私たち大人が、その「教訓」を知っているか知らないかで童話のもつパワーは変わってきます。
本記事では、世界の名作童話の中から、特に深い教訓を与えてくれる作品を3つ厳選して解説します。
- 人の動かし方を教えてくれる『北風と太陽』
- お金や準備の大切さを教えてくれる『アリとキリギリス』
- 人生の「本当の目的」を教えてくれる『ウサギとカメ』
童話を読み解くキーワードは「なぜ?」
童話や絵本は小さい子供でも飽きずに読めるよう、話や文字数はかなり少なく、起承転結の流れが簡潔にまとまっています。
そのため、小説のような些細な描写は本文には描かれていません。
もちろん、お話としてはまとまっているので「ただ読むだけ」でもストーリーは理解できますが、そこから教訓を学び取るためには、本文にはかかれていない「なぜ?」を考えてみる必要があります。
・なぜ、キリギリスは「冬」がくることに気が付かなかったのか?
・なぜカメは圧倒的に不利なウサギとのレースをしたのか?
詳しくは後述しますが、子供の考える力を育むためには、この「なぜ?」を繰り返す読み方が大切なのです。
人の動かし方を教えてくれる『北風と太陽』
『北風と太陽』はイソップ寓話におさめられたおとぎ話の一つです。
ある時、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負をする。
まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。
これで、勝負は太陽の勝ちとなった。
次に「なぜ?」の視点でこの物語から得られる教訓について考えていきます。
・なぜ、北風は勝負に負けてしまったのか?
・なぜ太陽は旅人の服を脱がせることができたのか?
『北風と太陽』から得られる教訓
実は『北風と太陽』は、これからの時代の「リーダーシップの手本」を教えてくれる物語だと考えられます。
20世紀までのリーダー像は「北風」のように「とにかく押しの強い」行動派タイプが多かったのですが、これからの時代「黙って俺について来い」では部下やチームは納得しません。
2020年代からは「太陽」のように、自分が動くのではなく、「他人が自発的に動く」ようにサポートするリーダーが求められます。
・北風は自分が動いたが、太陽は旅人を「動かした」
・北風は深く考えずとりあえず行動してみたが、うまくいかなかった
・太陽は「得たい結果」から逆算ベースで考えて行動した結果、勝負に勝った
・勝負を決したのは力の差ではなく「知恵の差」
自分が動くのは簡単ですが、他人を動かしてゴールへ導くのは難しいものです。
しかし「太陽」は、自分がどう振る舞えば他人に動いてもらえるか知っていました。
また、北風のように自分ひとりが頑張っても、得られる成果はたかが知れています。
オラオラ系の「北風」タイプは、いつの間にか会社や組織の中で後ろ指を指される「人罪」になってしまうかもしれません。
これから私たちが目指すべき人物像は「太陽」タイプなのです。
太陽は、ポカポカと優しいイメージですが、実は自分の得意な分野、土俵に相手を誘い込む「したたかさ」があったのかも知れませんね。
お金や準備の大切さを教えてくれる『アリとキリギリス』
『アリとキリギリス』もイソップ寓話におさめられたおとぎ話です。
夏の間、アリたちは冬の食料を蓄えるために働き続け、キリギリスはヴァイオリンを弾き、歌を歌って過ごす。
やがて冬が来て、キリギリスは食べ物を探すが見つからず、最後にアリたちに乞い、食べ物を分けてもらおうとするが、アリは「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらどうだい?」と食べ物を分けることを拒否し、キリギリスは飢え死んでしまう。
『アリとキリギリス』は、童話にしてはちょっと可哀相なラストなので、ハッピーエンドに改変されたバージョンもありますが、私はこの可哀相なラストこそが最も深い教訓を与えてくれると思っています。
こちらも「なぜ?」の視点で物語から得られる教訓について考えていきましょう。
・なぜ、アリはキリギリスに食べ物を分け与えなかったのか?
・なぜ、キリギリスは「冬」がくることに気が付かなかったのか?
『アリとキリギリス』」から得られる教訓
『アリとキリギリス』はずばり「お金と準備の大切さ」を教えてくれる物語です。
現在に生きる私たちは狩猟民族ではありませんので、食べ物を探しに山や海に出かけることはありません。
その代わり、仕事をしてお金を稼ぎ、そのお金で食料を購入して生活しています。
そういった意味では、私たちも実は「アリ」であり「キリギリス」なのです。
・将来の「冬」の時期に向けて備えることの大切さ
・キリギリスにバカにされても、アリは自分たちの「ルール」を貫き通した
・アリたちは、しかるべき時にコツコツと努力を積み重ねたおかげで生き残った
・アリがキリギリスに食べ物を分けなかったのは「施しがキリギリスのためにならない」ことを知っているから
・キリギリスが「冬」を知らなかったのは、誰にも教わらなかったから
アリとキリギリスをそれぞれ現代のライフスタイルに置き換えて考えると、このように考えられます。
『キリギリス』→お金を稼いだ分だけ浪費してしまうタイプ。もちろん貯蓄はゼロ。楽しいことが大好きで、人生なんとかなると思っている。
『アリ』→倹約家でまじめに働きコツコツ貯蓄できるタイプ。これからの将来「備え」がないと生き残れないことを知っている。
「人生一度きり」というように、一見、キリギリスの方が派手で人生を謳歌しているように見えるかもしれません。
しかし、誰の人生にも必ず「冬」の時期は必ず来ます。
仕事をクビになったり、事業がうまくいかなかったり、ケガや重い病気にかかることがあるかもしれません。
日本自体も、ゆっくりと「冬」の時期に向かっています。
今の時代はたくさんの娯楽や楽しいことであふれていて、遊ぼうと思えばいくらでもお金を使えるのですが、これから先も不自由しないためには、この「冬」に備える視点も必要です。
物語の中で疑問に思うのは、アリは「冬がくること」を知っているのに、キリギリスはなぜか冬の存在を知らないことです。
これは「親世代」から「いずれ冬の季節がくるから備えておくんだよ」というアドバイスを受けていないから「知らない」のです。
おそらく主人公のキリギリスの親たちも、同じように遊んで暮らし、冬には亡くなってしまったので、「冬のおそろしさ」を子供に伝えていなかったのでしょう。
日本でも格差社会が広がっていると言われますが、この格差はその人が「アリ」タイプか「キリギリス」タイプかの違いで生まれているのかもしれません。
『アリ』タイプになるにはまず「節約」から。私も無一文からコツコツ貯金しました。
また、物語のラストで、アリは非情にもキリギリスを見捨てるわけですが、これはとても賢明な判断です。
なぜなら「キリギリス」タイプは、そもそもお金の使い方があまり上手ではないので、お金そのものを渡してもすぐ使って無くなってしまうからです。
もし親が「キリギリス」タイプだった場合、子供も貧困から抜け出しにくくなります。
その時は親を「反面教師」にして、自分が努力するしかありません。その方法は別記事で詳しく解説しています。
ある程度貯金ができるようになったら「投資」でさらに増やすこともできます。私が年間「120万円以上」の利益を上げている投資術の全てはこちらの記事で解説しています。
人生の「本当の目的」を教えてくれる『ウサギとカメ』
『ウサギとカメ』は日本の昔話だと思っていましたが、これも元はイソップ童話から来ているおとぎ話です。
ある時、ウサギに歩みの鈍さをバカにされたカメは、山のふもとまでかけっこの勝負を挑んだ。かけっこを始めると予想通りウサギはどんどん先へ行き、とうとうカメが見えなくなってしまった。ウサギは少しカメを待とうと余裕綽々で居眠りを始めた。その間にカメは着実に進み、ウサギが目を覚ましたとき見たものは、山のふもとのゴールで大喜びをするカメの姿であった。
こちらも「なぜ?」の視点で、物語から得られる教訓を読み解いていきます。
・なぜウサギはレースに負けてしまったのか?
・なぜカメは寝ているウサギを無視してゴールへ直行したのか?
『ウサギとカメ』から得られる教訓
『ウサギとカメ』の教訓は一般的に、ウサギのように自分の能力を過信してしまうことを戒めたり、カメのように一歩ずつ着実に前進することの大事さが言われています。
しかし、少し視点を変えて、そもそもなぜカメは「まともに勝負しても勝てる見込みのないレースをしたのか?」という切り口で考えると、人生における「真理」が見えてくるのです。
・カメははじめから「ウサギとレースをするつもりはなかった」
・ウサギはカメに勝つことを目標にし、カメは「自己ベストを尽くして走り切る」ことを目標にした
・カメはウサギに勝利したのではなく、自分との闘いに勝利した
カメは始めからウサギのことなど眼中になく、自分のベストを尽くしてゴール(山のふもと)にたどりつくことしか考えていませんでした。
そのため、カメはレースの最中、一度も休んでいませんし、途中で寝ているウサギも無視してひたすら先に進んでいきます。
結果、運良くウサギに勝ってしまうのですが、別にウサギが手を抜かず先にゴールしたとしても、おそらくカメは最後まであきらめずにゴールを目指したでしょう。
カメは自分のベストを尽くしましたが、ウサギは自己ベストの走りをしていません。
このレースを通じてカメは成長しましたが、ウサギは(たとえ勝負に勝ったとしても)成長していません。
自分との闘いに勝利したという意味では、レースの勝ち負けに関係なく、この物語の勝者は最初から「カメ」なのです。
この物語は「人生のゴール」を明確にしないと「どんなに速く走れても、自分のゴールには永遠にたどり着けない」ことを暗示している、とも言えます。
「人生のゴール」とは、大金持ちになるとか、○○の分野で一番になるとか目に見えるものでなくても良いと思います。
カメのように「一瞬一瞬を全力で走る」という行動目標も、立派な「自分だけのゴール」。
現代は、できることの自由度が高いので、自分で目標設定をしないと「他者との比較や優劣」ばかりが気になってしまいます。
この物語のウサギにならないためには、とにかく「自分がどこに行きたいか?何をしたいか?」に集中して「今やるべきこと」に全力投球するしかありません。
人間は生まれたときから不平等です。
おかれた環境、能力、容姿、生まれた時から何もかもが違うのが人間ですが、「自分のゴール」だけは自分で決められます。
かつての私もそうでしたが、「他人との競争に疲れる」のは、自分との闘いをしていない証拠。
自分の敵は自分だけ、という「人生の真理」を教えてくれる物語が『ウサギとカメ』なのです。
読み聞かせるだけではもったいない!子供の頭をさらに良くする4つの質問
いい絵本や童話は読み聞かせるだけでも効果がありますが、子供の頭を良くするためには「考えさせる」プロセスが重要です。
例えば、読み聞かせの前後や最中に簡単なクイズや質問をしてあげると効果的。
「クイズが出題される!」と思うと、子供は無意識にしっかり本の内容をとらえようとアンテナを張ります。
すると、自然に記憶の定着力も良くなるのです。
また、大人の堅くなった頭では思いつかない柔軟な発想で面白い意見が聞けるかもしれません。
この本は「どんな話だった?」と聞く
物語の流れを把握する「読解力」と、それを簡潔にまとめる「要約力」を鍛える質問です。
繰り返し読む本は、本を読み始める前に「どんな話だった?」か簡単に子供に説明してもらい、答え合わせをするように読んでみます。
短い質問ですが、的確な答えを出すためには、正しく物語を追いかけ、自分の言葉でまとめる力が必要です。
「どう思った?」「どう感じた?」と聞く
これは「思考力」と「感受性」を養う質問です。
短く、「どう思った?」や「どう感じた?」と本の感想を聞くだけなのですが、これだけで子供の頭の回転は早くなります。
大人でも、今日見た本や映画について考察し、しっかりした感想をすぐ言葉にできる人は意外と少ないのではないでしょうか。
「面白かった」「ためになった」「考えさせられた」で終わってしまうと、そこで思考が停止してしまい、次のアクション(今から自分はどう行動するか?)に結びついていきません。
この質問は簡単なようで難しいので、始めはうまく答えられないと思いますが、トレーニングしていけば、どんどん言葉が出てくるようになるはずです。
「どうしてこうなったと思う?」と聞く
これは「分析力」を養う質問です。
ある結果が生まれる前には必ずその「原因」があります。それを見つけ出して因果関係を結ぶトレーニングです。
例えば、先の童話の例で言えば、このような原因が推測できます。
・どうしてキリギリスは「冬」を知らなかったんだろう? → 親に教えてもらっていなかったから
・どうしてウサギはカメに負けたんだと思う? → 油断して居眠りしたから
社会人にになると、データや起きている問題を「分析」する場面が頻繁にあります。
子供のうちから自分で「なぜこうなったんだろう?」と考えるクセをつけていると、就学してからも楽しんで勉強に取り組む子に育ちやすくなります。
「きみがもし、物語の主人公だったらどうする?」と聞く
本を読むメリットの一つに「代理経験」を積むことができる、というものがあります。
小説や伝記などの本は、読むことで「他人の人生経験」を体験することができます。
すると思考や選択の幅が広がり、人生で困難にであったときも、「あの物語の主人公ならどう突破するだろうか?」という視点で物事を考えられるようになります。
絵本や童話は、何かしらの教訓やメッセージ持っています。
でも、ただ読み聞かせるだけでは、それはあくまで「本の中の話」に過ぎません。
そこで子供に、「もし主人公のウサギやキリギリスだったらどうする?」と聞くと「本の中の話」は、子供にとって「自分が主役の物語」になるのです。
そうすると、読み聞かせは一方通行ではなく、子供自身も一緒に参加する「相互通行」のコミュニケーション手段になります。
子供と話をする上で覚えておきたい「最も重要なこと」
読み聞かせに限らず、子供と話をする上で一つだけ重要なポイントがあります。
それは、「否定をしない」ということ。
考える習慣がないと、子供に質問しても、始めのうちはうまく答えられなかったり、「わからない」という答えが返ってくると思います。
そのとき子供にがっかりしたり、苦言をこぼしたり、大人側のもっともらしい【正解】を押し付けないことです。
前半は童話のもつ「教訓」について紹介しましたが、その教訓さえも、無数にある解釈の一部分でしかありません。
絵本や童話は文章が短いからこそ、語られない「物語の余白」が多く、色んな解釈や可能性が生まれるのです。
だから、子供がどんな考え方や捉え方をしても自由。
このことを覚えておいて、絵本や童話のもつパワーをぜひ子育てに取り入れてみてください。
ここでも「北風」ではなく「太陽」の視点が大切です。
こちら側の考え方を押し付けず「自分で考えさせる」という視点は、仕事での部下(後輩)育成でも同じです
【まとめ】童話には無限のパワーがある。だからこそ私が伝えたいこと
以上、人生の教訓を教えてくれる「子供に読み聞かせたい」童話について紹介しました。
・名作童話には語り継がれるだけの「奥深い理由」がある
・童話の教訓は、人生をより豊かにするアドバイスになる
・本の読み聞かせでは「質問」をうまく使って子供に「考えさせる」習慣をつくることが大切
・子供の可能性の芽を大人が摘んではいけない
私は昔から絵本が好きで、絵本や童話には子供の能力(脳力)を無限に引き出すパワーがあると思っています。
しかし、残念なことに私の幼少期の場合は、あまり絵本や童話をネタに、親と会話をした記憶がありませんでした。
(今回ご紹介した童話の読み解き方や子供の思考力の伸ばし方は、私が大人になってから気がついたものです)
これは、とても「もったいない」ことだと思うのです。
振り返って思うのは、親子が密に会話する期間は、人生の中でもほんのわずかしかないということ。
言葉を覚えたと思ったら、すぐに学校へ行き、友達と遊ぶようになります。
その限られた時間で、親から子へ「これだけは伝えておきたい大切なこと」を伝えるのが、絵本や童話の役割です。
それが、絵本や童話が今もなお愛される、本当の理由だと思います。
将来わが子に「お金のせいで不幸になってほしくない」「できればお金持ちになってほしい」と願うなら、幼少期からの教育がとても大事です。
子供に将来「お金持ち」になってほしいなら「やってはいけない」教育法についてはこちらの記事で解説しています。