ども。さん太(@PonkotsuSanta)です。
20代前半にして「人生終わった」と思ったものです
そこから一度は復活するも、またも色々な要因が重なり再発。このとき、うつ病は「一生治らない」と思って絶望しました。
※私がうつ病にかかった経緯は、プロフィールに詳しく書いているのでここでは省略します。
でも今はまた、前を向いて歩きだすことが出来ています。
私のうつ病歴は通算10年にも及ぶので、快復前は「失われた10年」だと考えて否定的に捉えていました。
しかし、振り返ってみると「うつ病」になって「良かった」と思えることもたくさんあったのです。
本記事では、私のうつ病経験から「うつ病になって良かった」と思うことをご紹介します。
・「鬱病」になって良かったことなんてあるの?
・今現在「鬱病」や精神障害で苦しい。将来に希望が持てない
私が「うつ病」になって良かったと思う10のこと
「うつ病」になったことのある方なら理解していただけると思うのですが、「うつ病」の渦中にあるときは何をやる気力も湧かず、将来にも希望がもてません。
夜寝るときも「このまま目が覚めなければいいのに…」などとよく考えたりしたものです。
しかし、「うつ病」の長く暗いトンネルを抜け出して、今振り返ってみると「うつ病」になったおかげで身についた生活習慣や良い考え方も、実はたくさんあることに気が付きました。
今回はその中から10項目にわけてご紹介します。
- ブログを始めるきっかけになった
- 睡眠の質に気を使うようになった
- 食事や栄養バランスに気を使うようになった
- 運動習慣が身についた
- リラックスできる呼吸法や集中する方法が身についた
- 過度のポジティブシンキングをあきらめた
- 他人やモノ・お金に振り回されなくなった
- 自分の「できること」「できないこと」を見極めることが出来た
- 自分と他人に優しくなった
- 足元の幸せを味わえるようになった
ブログを始めるきっかけになった
このブログ、実は「うつ病」治療の一環として書いていた日記やメモがベースになっています。
そのメモは、当時考えていたことや人生についての不満などをただ「書きなぐる」というものでした。
誰に見せるものでもないので、結構「黒い」内容のものが多いのですが、例えば…
・ブサイクは何をやってもダメ。不幸な将来しか待っていない
・親が立派な人は子も高学歴で裕福になのに、その逆はずっと貧困の連鎖から逃れられない
・外交的人間に生まれたらそれだけで人生大勝利。逆に内向的人間はダメ
プロフィールにも書いているとおり、私はネガティブ思考な上、コンプレックスの塊でしたから、延々と「自分の不幸探し」をしていたわけです。
しかし、文章にすることで、頭のモヤモヤは少しずつ明確な言葉になり、自分が何に悩んでいるのか、その問題点が見えてきました。
また、「考え方をこう修正すれば良いんじゃないか?」「この方法なら解決できるんじゃないか?」と試行錯誤したことで、問題を前向きにとらえることができるようになりました。
こういったメモの内容を元に、「最高のクソゲー」である人生を、どうやって生きれば「楽しめる」ようになるのか、それを模索するのが本ブログのテーマです。
例えば、私は重度のブサイクなのですが、今では割と「ブサイクでも人生なんとかなる」と思えるようになりました。
睡眠の質に気を使うようになった
私は睡眠障害(過眠症)をもっていたので、もともと眠りの質には気をつけているつもりでしたが「うつ病」をきっかけにさらに症状が悪化しました。
とにかく寝ても寝ても眠気が取れない、日中もウトウトして怒られる。
そこで、ありとあらゆる方法を試した結果「自律神経」を整えることがカギであることに気づき、克服することができました。
また、深く眠れない、毎日不安感を感じる、という人はもしかしたら「カフェイン」の影響がでているのかもしれません。
エナジードリンクや栄養剤、コーヒーをよく飲む人は、一度カフェインを減らしてみることをオススメします。
食事や栄養バランスに気を使うようになった
私は、ジャンクフードやカップ麺、お菓子が大好きだったこともあり、高校生の頃から少しお腹が出ているような子でした。
社会人になってからもそれは変わらず、仕事のストレスからますます過食気味に。
しかしその後「うつ病」をきっかけに食事と栄養バランスの大切さを再認識し、少しずつ乱れた食生活を見直していきました。
食事の摂り方や食べるものは「眠りの質」にも影響しているので、睡眠習慣と一緒に見直すのがおすすめです。
運動習慣が身についた
私は中・高とも文化部(しかも幽霊部員)だったので、運動習慣がまるでありませんでした。
うつ病で悩んでいる時、「うつ病は運動習慣で良くなる」ことを知った私は、近所をランニングすることから始めるようになりました。
でも少しずつ距離が伸びていき、体力も自信も増しました
効果はすぐには表れなかったものの、半年、1年と続けるうちに気持ちが前向きになり、マラソンに出たりロードバイクを始めたり、今までやったことがないことにもチャレンジするようになりました。
逆に仕事が忙しくて運動ができない時期は、体調もメンタルも悪化しがちなので、忙しくても無理なく続く運動習慣が身につくよう工夫しました。
今でも通勤や近所に買い物にいくのは徒歩がメイン。
ジム通いはしていませんが、1日5分程度の自宅でできるトレーニングを続けるだけで、運動不足は解消できます。
リラックスできる呼吸法や集中する方法が身についた
心身のコンディションを整える基本は「睡眠」「食事」「運動」ですが、もうひとつ覚えておきたいのが呼吸の大切さです。
呼吸はふだん当たり前に行われるので、健康であればあまり意識することはないはず。
でも実は、呼吸は自律神経を調整する役割も持っているので、「よく眠れない」「不安感が消えない」という方は、呼吸法を身につけるとラクになると思います。
また、うつ病にかかった脳はヘトヘトで疲れ切った状態ですから、瞑想を取り入れて上手に休ませてあげるのも有効です。
私が取り入れているのは「歩行瞑想」という方法。歩行瞑想は脳のリラックスだけでなく陽の光を浴びて身体を覚醒させたり、運動習慣にもつながる効果的な手法です。
ちなみに瞑想や呼吸の大切さは、メンタリストDaiGoさんの動画チャンネルで学びました。
月謝の高いヨガなどのスクールに行かなくても、動画なら自宅で学べるのでおすすめです。
過度のポジティブシンキングをあきらめた
私はもともとものすごくネガティブな性格でした。
客観的にみて「良い出来事」があっても「何か裏があるんじゃないか」と疑ってしまうタイプです。
そして今も、基本はネガティブなままです。
一時期は後ろ向きな自分が嫌で「ポジティブシンキング」に関する本や自己啓発セミナーに良く行きましたが、人の本質的な性格は大きくは変わりません。
むしろポジティブになりきれない自分がさらに嫌いになり「なんて自分はダメなんだ…」と逆効果になってしまいました。
うつ病から抜け出て思うことは、「ネガティブも悪いことばかりではない」ということです。
コインに表と裏があるように、どちらか一方が良くて、もう一方は悪いということではないのです。
ネガティブすぎるのは何も行動ができないので、先述した「睡眠」「食事」「運動」「呼吸」を整えて気力を養う必要はありますが、過度なポジティブは目指さなくても大丈夫なので、安心してください。
自分にあったバランスを早く見つけると楽になれますよ
他人やモノ・お金に振り回されなくなった
私は田舎の貧しい家庭で育ったので、昔からお金に対するコンプレックスは強いほうでした。
なので、社会人になってからも恋愛や遊びは二の次にして残業しまくり、とにかく働きました。
結論から言うと、モノやお金を目的にがんばる仕事は、人生をそれほど豊かにはしてくれません。
特にお金は、どれだけ持っていても、人と比べるクセはなくならず、「もっと欲しい」という欲望ががなくならないものです。
振り返ってみると、うつ病で無気力になった時、そういった物欲、金銭欲がキレイに洗い流されたことは幸運だったと思います。
今はSNSで、裕福な人の自慢はいくらでも目に入ってきます。
そういった「他人の生き方」に振り回されて貴重な自分の時間をロスしないようにしたいものです。
自分の「できること」「できないこと」を見極めることが出来た
「うつ病」になりやすい人は、まじめで責任感があり、なかなか他人を頼ったり任せることができない人が多いように思います。
私もその一人で、「なんでも自分でやってしまう」タイプでした。
しかし、うつ病で気力・体力ともにどん底に落ちると、仕事も思うようにこなせなくなり、人に頼らざるを得なくなります。
そこで気がついたのは、自分ができないことや苦手なことは、得意な人にやってもらったほうが良いということ。
人生楽しそうで、うまくいっている人ほど、他人を巻き込んで「頼るのがうまい」ことにも気がつきました。
もちろん仕事では、全て人任せにはできないので、「自分の得意なこと」はやる必要がありますが、苦手科目を頑張りすぎる必要はありません。
また私は、人と比べるのがクセで、優秀な人に対してコンプレックスを感じやすい性格でしたが「人に頼る」思考にチェンジすると、「優秀な人に囲まれている」環境は、メリットだらけだと思えるようになりました。
自分ができない特技を持った人。頭の回転の速い人。コミュニケーションの上手い人。
彼らを「敵」「ライバル」と考えると、競争意識でメンタルはどんどんすり減ってしまいます。
そこで逆に「味方」と考えて手本にしたり、思い切って頼ってみましょう。
すると、彼らのもつパワーを上手に取り入れることができるようになります。
自分と他人に優しくなった
私は小学生のころからとにかく「自分が嫌い」でしたので、毎日鏡を見るのもイヤという状態が30歳を過ぎるまで続きました。
それが、生活習慣を整え、考え方を少しずつ変えていき、思っていることをメモやブログに書き出していくうちに、だんだんと自分に優しくできるように変わっていきました。
・身体にいい食事をとる
・睡眠時間をケチらずにぐっすりと眠る
・マイペースで続けられる軽い運動習慣をつける
・シャワーですまさずにしっかり湯船に浸かる
・マッサージや瞑想で心身の疲れを癒やしてあげる
・美しく心地いい音楽を聴く
・「疲れた」「眠い」ときには無理せず仮眠する
・頑張ったときは外食やご褒美を買ってあげる
いまだに「自分が好き」という段階には至らないものの、上記の行動を淡々と続けるだけで、自然と「自分を大事に」できています。
自己啓発本ではよくアファメーションといって「自分が大好き」という自己暗示をかけるテクニックが紹介されていますが、私の場合はうまくいきませんでした。
これは、土台となる「自分を大事にする生活習慣」ができていなかったためだと考えています。
自己啓発やポジティブシンキングがうまくいかない人は、もっと根本的な「心身の健康」を見直すところから始めてみてください。
自分を大事にすると自信がつくだけでなく、心に余裕がでてくるので、他人にも優しく寛容的になることができます。
足元の幸せを味わえるようになった
「うつ病」に悩まされている間はずっと「自分はなんて不幸なんだ」と考えていたので気がつかなかったのですが、今の時代日本に生まれているだけで、実はかなり「恵まれている」ことは確かです。
もちろん、生まれながらの不平等・不公平さはあるものの、努力次第でかなりの部分がカバーできますし、チャンスをつかむこともできます。
アカデミー賞を受賞した映画「パラサイト 半地下の家族」を見てあらためて感じたのですが、若く学歴やスキルがあっても仕事にありつけない人は、世界にたくさんいるのです。
以前の私もそうでしたが、不幸な人は必ずしも不幸な境遇にいるわけではなく、「自分は不幸だ」と強く思い続けているからこそ、そこから抜け出すことが出来ません。
仕事があるだけ幸せ、親兄弟がいるだけでも幸せ、インフラが整った家があるだけで幸せ…。
当たり前に慣れてしまって、他人との比較で幸福度を測ろうとすると、こういった「足元の幸せ」が見えなくなってしまいます。
「うつ病」は、見落としがちな「近くにある幸せ」を再認識させてくれました。
このように、考え方を少し変えるだけで、人生は今よりも楽しく、豊かに変わっていきます。
そんな考え方のヒントを別記事で詳しく解説しています。
【まとめ】「うつ病」は「本当に自分らしい人生」を考えるチャンス
以上、「うつ病」になって良かったと思う10のことについて紹介しました。
・「うつ病」を抜け出す過程で、たくさんの良い習慣や考え方が手に入る
・自己啓発より「心身の健康」を最優先で整えるとうつ病は回復しやすい
・他人との不必要は比較・競争をやめ「味方」にしてしまおう
「うつ病」で悩んでいた10年間は、「うつ病になって良いことなんてひとつもない」と考えていましたが、振り返ってみると、これだけの「いいこと」がありました。
若いうちは周りの目が気になり、「他人よりも」いい暮らしがしたい、いい恋愛や結婚がしたい、いい仕事につきたいなどの欲望が強いものです。
しかし、他人との比較競争で生きているうちは「ウサギとカメ」のウサギのような生き方をしていると言えます。
私は若くして「うつ病」になってしまいましたが、逆をいえば若くして「本当に自分らしい人生を考えるチャンス」をもらったとも考えられます。
最後に、私がうつ病の最中に出会い、励まされた言葉を紹介して終わりにしたいと思います。
「虹を見たいのならちょっとやそっとの雨は我慢」
「止まない雨はない」と良いますが、黒い雲が晴れて雨がやんだ後には、きれいな「虹」がかかります。
逆に、ずっといいお天気が続いたのでは、いつまで経っても虹は見えません。
虹が輝くためには「雨」が必要なのです。
今まさに闘病されている方は、こちらも参考にしてみてください。